452 / 459
452※微
◇ ◇ ◇
それから肩を並べてバスタイムへとしゃれこんだ九蔵とニューイ。
いやまぁパンツの柄は澄央に貰ったカップラーメン柄だったが、スウィートルームごっこにハマッた時の白い入浴剤も入れたし、明るい昼間から無修正ボディを目に焼き付けられる苦行のレベルは多少低い。
おいコラそこ。
引きこも陰キャがパンツの柄気にするようなタマかよ! とか言うな。
オシャレとは縁遠いどころか絶縁中とはいえ、ニューイに見られる展開を察した時は若干下着に気を使う。
初夜以降変柄パンツは捨てた。澄央のお土産は捨てられなかった。南無。
「ぅっ……く…っ……んっ……」
そう、だから。
やっぱり、勢いで誘うもんじゃない。
今日は餌の予定もなくインナーなんて見られないからとビロビロのヒートテックを着ていたし、なんなら防寒パッチ装備。
夜通し履いていた靴下はくたくたで、たぶん足だって臭い。嗅いでないが。
そもそも仕事終わりの男はくたびれて汗臭いものである。
もっと言うとたいてい夜勤明けはそのまま寝かせてくれるので、そんな予定はなく、中も外もなんの準備もしていない。
だから、あちこちを舐めたり、触ったり、嗅いだり、しゃぶったり、擦ったり。
置き場に困った目玉が大気圏にブッ飛んでもおかしかない満面の笑顔をニヘラ〜っと浮かべ、嬉々としてやるようなシチュエーションじゃあないのだ。──断じてな!
「ぁあ……っの、どの口が『バスタイムは健全なのだよ!』なんですかねぇ……っ?」
「むっ、バスタイムは健全である。九蔵が成人向けコンテンツなのさ」
「誰が生きるモザイクじゃい。ニューイさんは顔面十八禁広告バナーでしょうがっ」
過去のバスタイムネタを引き合いに出していじけると、九蔵の足を抱えて湯の中で突くニューイが屁理屈をごねる。
よく言うぜ。
風呂場に誘ったのは九蔵だが、手を出したのはニューイだった。
髪を洗ったあと、体を洗いっこしようと提案したまでは許したとしよう。
だが洗う前にペロペロチューチュー隅々舐めたのは許せない。
「仕事終わりは全身チン〇ス野郎だから死ぬ!」と暴れる九蔵をニッコニコで宥めすかして九蔵の耳たぶや耳孔を舐め無力化したニューイは、ぐでぐでの体を愛撫がてら好き勝手にペロペロしたのだ。
いやもう意味がわからない。
全然ド変態だった。
膝裏と内ももを洗いながら蒸れた足の指をエロ顔で舐めるし、ボディーソープでヌルヌルの乳首を高速で扱く。摩擦レス〜ってやかましいわい指ピンやめろ。
挙句の果てに鏡に手をつかせられ後ろから素股されながら「二本生えているみたいでやらしいな」と囁かれ、九蔵は卒倒しかけた。
現在はそれらを全て乗り越えて湯船に移動し、二回戦目の真っ最中である。
「ほら……だから言ったんだよ。これのどこが健全だって……っん……ぁ、……っ」
上半身を浴槽のへりに両腕を引っ掛けて体を持ち上げる体勢で抱かれつつ、九蔵は濡れた肢体を震わせた。
浮力で浮いた九蔵の下半身を膝立ちで捕まえるニューイは、湯の中特有の揺らぎを纏って深く根元まで押し込む。
気を抜くと沈みそうだ。
挿れて、出してを繰り返されるたびに、バチャバチャと湯が揺れる。
ともだちにシェアしよう!