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第7話
早朝に拉致られてから足を鎖で繋がれている俺は、清潔感漂う真っ白いシーツが掛けられたベッドの上で天井を睨みつけていた。
昴がばら蒔いたフェロモンに翻弄され、無理にこじ開けられたオメガの本能。
ズクズクと腹の奥で蠢く熱が未だに治まらず燻り続けていた。
「…なーにが取り引きだ。」
取り引きに承諾しなければ、今頃家に帰れていたんだろうか…。
取り引きの条件に躍らされた
衣食住に身柄解放後の資金援助…
魅力的な条件ばかり並べやがって、胸糞悪ぃ連中だぜ。
幾らアルファが近くに居たって、発育不良の俺には関係ない。
だが昴とか言う奴は、俺に危害を加えなくとも上位アルファだ常に警戒は必要になる。
でもこれから1ヶ月、贅沢な暮らしができるんだ。
1ヶ月なんてあっという間に終わる。
満喫するに越したことはない。
先ほど昴が、特殊な作りになっていると言っていた革製のプロテクターの存在が気になっていた。
千月は、この首輪をどうにかしてでも取りたかった。
「俺は、絶対に雄に尻振るだけのオメガ何かになるか!」
イラつく…
こんな首輪着けやがって!
昴に飼われてやる気は更々ないっつーのに!
部屋から出て行く前に伸ばされた足枷の鎖も気にくわねぇ…。
外から鍵を掛けるなら、コレも外せよ!
苛立ちにまかせてベッドにかかと落としをした。
鎖がガシャンと派手に音を立て、ベッドの揺れに千月の体が跳ね上がっただけだった。
苛つく昴に昇らされた身体の熱は、口を開く度に熱い息となって吐き出された。
今まで性欲を強く感じた事のなかった千月には、自分の意思に伴わずに硬く芯を持ち始めているペニスに困惑していた。
皮を被っていたはずの頭を大きく膨張し窮屈な皮からの脱出を初め、少し脚を動かす度に僅かな布ずれが刺激となり、またその硬さを増していった。
上位アルファのフェロモンがこんなにも強いものなのか…?
欲望に支配され始めた熱はやがて千月の思考をも溶かし始め、なんの躊躇いもなくジーンズのベルトに手をかけた。
既にズボンの上からでも形が分かるほどに硬く大きくなったペニスは、ジーンズをずり下げるだけでも充分過ぎるほどの刺激になった。
普段から全くと言っていいほどに性欲を感じてこなかった千月は、この短時間でアルファのフェロモンに充てられ、オメガの頭角が見え隠れしている事に気づけずにいた。
ジーンズを膝辺りまで下げると、トランクスの中心は濡れ色を変えていた。
その余りにも卑猥な光景に見慣れない千月の頬から首筋には朱が走り、じっとりと湿り気を帯びた掌で布越しにペニスへと触れた。
硬く脈打つペニスは、子供の物のように小さく小ぶりだったが千月はここまで膨張し主張するペニスを布越しに擦り始めた。
なんせ喧嘩に明け暮れていた千月にとってオナニーすら、半年に1回するかどうかなのだ。
その為直接触るなんて、その圧倒的な刺激の強さに痛みすら感じてしまうほど敏感で慣れない行為だった。
柔らかくペニスを揉みこみ優しくそっと親指の腹で亀頭を撫で、徐々に熱く溜まりくる熱を解放に向け刺激する。
喘ぎ声が口の端をついて漏れるのを片手で覆いその行為に没頭した。
「…はぁはぁ。ゥんん…あっ…ハァん…。」
目の前が白み始め頭が次第にぼーとしてくると腰が大きくしなり、トランクスの中に熱い液体をぶちまけていた。
ドクドクと速く脈打つ鼓動と、解放後の心地よい余韻の中で千月は意識を手放していった。
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