指の抜き差しをしながら、口での奉仕も続ける。 　拒んでいたはずの秋在はもう、快楽の虜になっていた。 「ぁあっ、あっ！　口、きもちぃ……っ！　お尻、も……ぐりぐり、気持ちいぃ……っ！」 　こうして乱れた秋在を前にすると、冬総はすぐにでも繋がりたくなってしまう。 　……しかし、今は我慢。 　冬総はどうしても、試したいことがあったのだ。 「ナツナリ、くん……っ！　ナツ、ナリっ、くん……っ！　お尻、もっと太いの……もっと、いっぱいにしてぇ……っ！」 　どれだけ秋在が求めてきても、今は聞けない。 　秋在に突っ込めば、冬総はフェラができなくなる。 　そうすると。 （――『春晴の精子を飲んでみたい』なんて……言ったら、引かれるよなァ） 　冬総の願望が果たされないのだ。 　じゅぶじゅぶと、口淫の音が部屋に響く。 　それと同じくらい、後孔を犯す指の音も響いていた。 「あぅ、あっ、あっ！　だめっ、だめだよ、だめぇ……っ！　汚いの、口に出ちゃう……っ！　もっ、口……はなしてぇ、っ！」 　――汚いところなんて、春晴の体にありっこない。 　瞬時にそう思っても……秋在の逸物を咥えている冬総には、異議申し立てができなかった。 　その間にも、秋在は限界へと昇り詰めていく。 「やぁ、あっ、ぁあっ！　で、ちゃうっ、出ちゃう、からぁ、っ！　だめっ、イくっ、イっちゃう……っ！」 　華奢な手を、秋在は懸命に伸ばす。 　なんとか冬総の頭を自分の性器から遠ざけようとしているが、快楽によって震える体では、力の制御なんてできるはずもない。 　その結果。 「ふあっ、あぁ、あっ！　んぁあ、っ！」 　秋在は冬総の髪を、強く握る。 　そのまま……冬総の口腔に、精液を迸らせた。 「んんぅ、ん……っ！」 　秋在の射精に合わせて、冬総が口淫を続ける。 　そうされると、絶頂を迎えている秋在はどうしようもできない。 （精液って、思った以上に……変な味、なんだな……ッ） 　決して、美味しいとは言い切れない味。 　だがそれでも、秋在のモノだと思えば無駄にはできない。 　一滴たりとも残させないと言いたげに、冬総は秋在の性器を口腔で愛撫する。 　まるで、搾り取られたかのように……秋在は精を、吐き出しきった。 「はあっ、はぁ……はっ、うぅ……っ」 　くたり、と。 　秋在が、ベッドに横たわる。 　荒い呼吸によって上下する体が、冬総にとっては愛おしくて仕方ない。 「ごめん、春晴。……イッたばかりなのは、分かってるんだけど……」 「ふ、ぇ……っ？」 　枕元に置いてあったコンドームを取り、冬総はすぐに使用した。 　指を引き抜かれ、ぱくぱくと収縮する秘所に、冬総が自身の逸物を押しつける。 　脱力し、惚けていた秋在では……なにを謝られているのかが、瞬時に理解できない。 　そして、理解したときには……遅かった。 「――んあっ、ぁあ、っ！」 　硬く反り勃った冬総の逸物が、穿つように突き挿れられる。 　焦りと驚きが入り混じった秋在の顔は、冬総にとって……物珍しかった。