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ツンな彼氏、本日お休みです(うさぎバース)

このお話は2話続きます、2話目のR18の方は後々更新します。 ―――――――――――――――――――― 「なあなあ満(みちる)。 俺も今から昼食べにいくんだけど一緒にいかん? 満も食堂使うやろ?」 「行かない」 ズバッと言い切りそのまま教室から出ていってしまう。 俺は肩を落とし友人たちの元へと戻る。 「今日もダメやった……」 「毎回断られてんのにいくお前のメンタル強すぎやろ。 つか、お前らそれでほんとに付き合ってるん?」 「大吾の勘違いやない?」 「お前らまでそんなこと言わんでや〜」 おいおいと友人たちに泣きつく。 俺は内山大吾、ゲイだ。 それは周りにも言っててみんなから認知されている。 そんな俺は最近彼氏ができた。 女子たちからの告白が止まないほどのイケメン、満だ。 どんな女子からの告白も無表情で冷たく断ることから『氷の王子様』なんて言われてる。 俺が一目惚れして告白したら何故かOKをもらえてお付き合いしている、はずなんだが…… 「付き合ってからさ、ほんとにさ、夜にちょこっと電話するぐらいしか満と話せてないんやけど。 昼とか誘っても断られるし……」 「オレたちおるから恥ずかしがってるんと違う? 休みの日にでもデートすりゃいいやん」 「バイト三つ掛け持ちしてる俺に言うか?! 貧乏学生舐めんなや!」 うどんを啜りながら友人たちに愚痴る。 本当にミチルのことがわからない。 電話している時だってああ、とか、うん、ぐらいしか返って来んし。 俺が一人で喋ってるみたいになって楽しいんかもわからん。 うじうじする俺に友人が痺れを切らしたように箸を向け叫ぶ。 「どうせお前みたいなオープンゲイが珍しかったから試しに付き合ってるんやろ。 弄ばれてるんやろ」 「うぐ、そうやないって言い切れんのが悔しい……」 「せやったら話し合わな。本当にお前のこと好きか聞いてこいよ。 もし違うんなら別れてまえ」 「お前の今日のバイトのシフト、おれと変わりますって電話したから行ってき。 思い立ったが吉日って言うやろ」 「今日?! しかももう電話したんか?! なんも心の準備できてないんに……」 友人たちは荒っぽく見えるが全部俺のためだって知ってる。 ゲイってオープンで言ってるから変な目で見られたり面白半分で付き合おうって言ってくるやつもおるし。 「でも、そうやな。 満も、もしかしたら面白半分で付き合っただけかもしれんし。 今日話してみるわ」 友人たちの押しによって俺も決心を固める。 『今日、話し合いたいことあるから俺の家に来てくれへん?』とメッセージを送る。 すぐに『わかった』とそっけない一言が返ってくる。 なんか変なこと起きる前に別れた方が俺も満にとってもいいかもしれんしな。 ……なんて俺は自分で盛大なフラグを立ててしまっていた。 満と待ち合わせ一緒に家へと向かう。 やっぱり俺が一方的に話している状態になっている。 満は表情もほとんど変わらんしやっぱ楽しくないかもしれん。 俺はさらに決意を固める。 家について俺は早速切り出す。 「なあ、満。 あのさ、もし俺と付き合ったのが面白半分とかそう言うのだったら。 ……別れたい、んだけどさ」 「……別れる?」 「あーだってさ、満は俺じゃなくてもモテるし出会いはあるだろ? わざわざ俺になんか付き合ってないでさ。 あ、そうじゃん! 友達でいいじゃん、別れてさ、友達になろうよ」 満の顔が泣き出す前の子供のように歪んだ、瞬間ぽんっと軽い音と共に満の頭にでかい耳が生える。 ぺたんと垂れた耳で茶色くて犬? にしてはデカすぎるしな、なんの耳だ? 満はカバンの中から冊子のようなものを出し、俺に押し付けてくる。 混乱している俺は素直に受け取る。 満が無言で冊子の付箋の付いているところを指差す。 読めってことなのか? と恐る恐る中を開き読む。 うさぎバースとは!(男の子の場合) うさぎバース持ちの人は寂しさでいっぱいになってしまうとウサ耳が生えてしまうことがあるんだ。 元に戻る方法はいっぱい甘やかしてもらうこと! いろんな耳の形があって耳の形によってなんとなくの性格がわかるよ! (男の子は女の子より垂れ耳(寂しがり屋)タイプが多いよ) ちなみにうさぎバース持ちの人は普段からお尻にうさぎのしっぽがついているよ。 見分けるのはとっても簡単だね! ちなみに……尻尾は性感帯なことが多いから触るときは注意してね! 「なるほど、なるほど……じゃないやろ!」 俺は冊子を破りそうになるのを必死で耐える。 すっごい小馬鹿にしたような文章がつらつらと書かれていることに怒りさえ感じる。 こっちはこんなに困惑してるってのに。 もう一度冊子を読み直す。 寂しさでいっぱいになるとウサ耳が生える、かつ満に生えてるウサ耳は垂れてるから……性格は寂しがり屋ってことか? ……何に寂しがってんだ? 聞いた方がいいことなのか? 「えーっと満さん? な、何か俺に思うことでもあるんですか?」 なぜか敬語になってしまう俺に満はウサ耳で顔を隠そうとしながら俺の服をつまむ。 「大吾はいつも友達といるじゃん。 誰にだって優しいし、付き合ってもバイトが忙しいとか言って全然構ってくれないし」 「ええ……」 嘘じゃん、いつもあんなつっけんどんなくせに? 本当はめっちゃ寂しかったって。 『氷の王子様』とか言われている満の様子はなく”かまって”と言わんばかりの顔で見上げる満しかいない。 「えっと、じゃあ甘やかせばいいってこと?」 悩んだ末頭を撫でてみる。 満が少し口角を上げて撫でられる動きに合わせて頭とウサ耳を動かしている。 うさぎじゃないけど実家にいる猫を思い出すな。 普段は絶対撫でさせてくれないのに、気まぐれに撫でろって体擦り付けてくる時にすごく似ている。 つまりめっちゃ可愛い。 ウサ耳サワサワ撫でれば満がさらに嬉しそうに顔を緩ませる。 本当はこんなふうに甘えたかったけど恥ずかしかったのか。 それにしてもこうなるまで抱えなくていいのに。 いつでも言ってくれれば時間なんて取るのにな。 ホワホワした気持ちのまま満を撫で続けていると不意に満が俺の体を押す。 俺はそのまま後ろに倒れる。 満が若干興奮したような顔で俺の上にまたがる。 「あ、あの満さん?」 「大丈夫、大吾は寝てるだけでいいから」 ちょっと貸してよ。 満が俺のズボンのチャックをおろし始める。

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