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第二十一章・4
「うぅ、ふぅ、う。はぁ、あぁ、あ……」
ひくひくと痙攣する秀実を、士郎は優しく抱いた。
髪を梳き、肩を撫で、キスをする。
「んんぅ。ん、ふっ。士郎さん、好き……、大好き……」
「私も秀実が大好きだ」
ん?
士郎さん、今夜はやけに優しい。
(いつもなら、イッてる最中にもずんずん突いて来るのに)
今夜は、穏やかにいたわってくれる。
「士郎さん」
「ぅん?」
「何か、企んでます?」
「イヤだなぁ。何も企んじゃいないよ」
ただ……。
「ただ、何ですか?」
「ちょっと秀実にお願いが、ある」
やっぱり、と秀実は脱力した。
絶対何かあると思った!
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