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(1)退任
春風に吹かれ、サラサラと揺れる主人の金髪を、従者は後ろから見つめていた。
勇者様が最大十五年の任期を勤め上げ、後任にその座を譲ったのは、あたたかな陽射しが降り注ぐ春の日だった。
勇者様の後任は、第九中隊……いわゆる勇者隊の隊員で、入隊時から前隊長とリンデルの元、最前線鍛えられてきた今年二十三歳になる青年に決まった。
従者には、二年前からロッソと共にリンデルの側で見習いを続けていた従者見習いの者が就いたが、三年目から一人で新任勇者を見るのは荷が重いとの判断から、一年間はロッソがサポートに入ることになっている。
同じ隊から続けて勇者が出た事は未だかつて無く、権力や実力が偏るとお偉方が相当ゴネたらしいが、結局は騎士団長が押し切ったという話だった。
退任式を済ませたリンデルは、人もまばらな闘技場をテラス席から見下ろしていた。
十五年前、自分はここで最終試験の試合を勝ち抜き、勇者になった。
自分を盗賊の里から連れ出してくれた前勇者に、これからの一生をこの国に縛られて生きるのだと言われた。
そして、あの通路で、ロッソに初めて会った。
ロッソは今もリンデルの傍に佇んでいるが、それも今日までのはずだった。
聞き慣れない足音に振り返ると、片足のかわりに両腕の杖で歩く男性の姿があった。
茶色がかった黒髪を後ろへ撫で付けた壮年の男性は、リンデルと目が合うと、ニッと人懐こく微笑んだ。
「今日の主役が、こんなとこで何してるんだ?」
「隊長! お久しぶりですっ」
ぱぁっとリンデルが顔を綻ばせる。
後ろでロッソも頭を下げる。
「ハハッ、お前はまだ俺をそう呼ぶのか」
言って、男は親しげにリンデルの肩をポンポンと叩き、従者にも手を上げて挨拶をした。
「俺にとって隊長は、隊長だけですから」
「ああ……そうだったな……」
呟いた壮年の男の表情に影が差す。
「まだお前は若い……まだまだ、前線で戦えただろうに……」
勇者の役目を終えた者は、前線を退くのが決まりだ。
下手に元勇者が戦場をウロウロしてはやりにくいと言うのはリンデルにも良くわかっている。
指導者として城に残る事は出来たが、リンデルはそれを選ばなかった。
「俺はこれで良かったんですよ。むしろ、これからが楽しみなくらいです」
「リンデル……」
「隊長こそ、体の調子はいかがですか?」
「ああ、悪くない。なんだかんだと世話を焼いてくれる奴もいるしな」
チラと視線を送った先には、柱に背を預けて腕を組んでいた金髪碧眼の男が居た。
隊長と同じくらいの歳のはずだが、隊長よりもずっと若く見える優男風の男性は、こちらの視線に気付くとひらひらと手を振って見せた。
「そうですか……。それは良かったです」
「お前はこれから、どうするんだ?」
問われて、リンデルは一瞬口を開きかけ、そのまま閉じて微笑んだ。
「……これからゆっくり、考えます」
「そうか、いつでも相談に乗るぞ」
「はい、ありがとうございます」
ロッソは、リンデルが元隊長にすら何も告げなかったことを、ほんの少し意外に思った。
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「なんだか、肩が軽過ぎるな」
リンデルは、勇者の鎧を全て外し終えると、ゆるりと肩を回して呟いた。
夕刻、各所への挨拶を済ませ、城内の自室に戻ったところだ。
カーテンの引かれていない窓には、私服姿の自身が映っている。
リンデルは、毎日のように身につけていた勇者の甲冑へ視線を落とす。
何度も傷を受けたが、その度に丁寧な修復を受けてきた。もう二度と着る事が無いだろうそれを見ていると、今までの戦いが次々と脳裏を過ぎる。
「重い……鎧でしたから」
ロッソが、そっと答えながらその肩へ上着を掛け、
「まだ朝晩は冷えますので」と言い添えた。
この部屋も、今週中には出ることになっている。
来週からはここが新しい勇者の部屋となるのだろう。
リンデルは部屋をそっと見回しながら「ありがとう」と、小柄な従者に声をかける。
この従者とも、今日で主従関係は解消されるはずだった。
この城の地下、何重にも閉ざされたその先に『真の勇者のみが抜ける剣』と言われるものがあった。
勇者は皆、就任時にそれを試す。
けれど就任時に抜けた者は誰一人居なかった。
ただ、退任時にも希望する場合はそれを試せた。
今まで、歴代勇者二十人のうち、三人だけが抜けたらしい。
そして昨日、リンデルがそれを抜いたことで歴代二十一人のうち四人が『剣に認められし真の勇者』ということになった。
『真の勇者』は国王から直々に『最後の依頼』を受ける。
依頼の内容は、不定期に現れては人々を襲う『魔物』の『根絶』だった。
生まれる前から勇者に仕えるべく教育を受けて育ったロッソですら、この依頼を聞いたのは初めてだったらしく、珍しく動揺を滲ませていた。
「……本当に、行かれるおつもりですか?」
背後からかけられた声に、リンデルは苦笑を浮かべながら振り返る。
「ああ、まあ……偵察くらいのつもりで行くよ。
ロッソはまだ仕事が残ってるだろ? 付いて来なくていいんだぞ?」
金色の瞳が労わるように揺れる。
けれど、来なくて良いと言われたことの方が、ロッソには辛く聞こえた。
「お一人でなど、死にに行くようなものです。
勇者様こそ……、剣が抜けたからといって必ず行かねばならないわけでは……」
ロッソは、静かに見つめ返してくる金色の瞳から逃れるように目を伏せる。
こんなことを言ったところで、どうにもならない事は分かっていた。
けれど、行ってほしくないと思う気持ちが、止められなかった。
過去に剣を抜いたという三名の勇者は、全員、魔物の生まれる場所である北の山へと向かったらしい。
中には大隊を伴って旅立った一行もあったという話だ。
けれど戻った者は一人もいなかった、と王は仰った。
王は、リンデルにも好きなだけ連れて行きたい者を指名して良いと仰ったが、リンデルはしばらく考えた後、それを拝辞した。
「中隊全員とは言わずとも、せめて数人……お連れになってくださいませんか?」
俯いたまま懇願するロッソに、リンデルは手を伸ばし頭をそっと撫でる。
「勇者様……」
不安を滲ませた瞳で、ロッソがリンデルを見上げた。
リンデルには、この数年でやっと気付いた事があった。
それまでは、自分より小柄ではあったが、十歳近く年上でしかも自分の教育係であるこの従者の、頭を撫でようだなんて考えた事も無かった。
けれど、カースに撫でられ嬉しそうにしているロッソを見て、自分もこの人を撫でてやれば良かったのだと、ようやく分かった。
過去に、ロッソを撫でる人は居た。
前隊長は気さくであたたかい人で、リンデルがこの隊に入ってから、勇者になって以降も、よくリンデルやロッソ、他の隊員達の頭や肩をポンポンと励ますように撫でていた。
けれど彼は、リンデルを庇って足を負傷し、引退してしまった。
「俺も最初は、誰か連れて行こうと思ったんだよ?
でも、顔を思い浮かべたら、その誰もが失いたくない人ばかりだったんだ」
ほんの少し淋しそうに、リンデルは笑ってみせる。
「勇者様……」
ロッソの縋るような声に、リンデルは苦笑した。
「もう俺は勇者じゃないよ」
「……」
ロッソが小さく息を呑む。その先の言葉は、できれば聞きたくなかった。
「だから、ロッソももう、俺に付いて来なくていいんだよ」
「……っ」
『勇者様』と呼ぶことが許されないのなら名を呼べば良いと、頭では解っていても、今まで一度もその名を口にした事のないロッソに、それは難しかった。
「……いいえ、最後までお供します……」
従者の小さな肩は震えていた。
「……どうか……共に、行かせてください……」
俯いたままで、なんとか絞り出すように伝える従者の頭を、リンデルは胸元に抱き寄せる。
「ゆっ……っ……!!」
「付いて来るなとは言ってない。むしろ、その気持ちはとても嬉しいよ。
でも、俺はロッソにも……、やっぱり……生きていてほしいんだ」
「そんな。まるで…………」
そこから先は言葉にならなかった。
死にに行くような……とは、決して言える事ではなかったが、今までの結果を聞く限り、生きて戻る可能性が極めて低い事は事実だった。
「っ……どうしても、行かれるのですか……?」
尋ねられ、今までロッソを宥めるようにあたたかな声色だったリンデルの声から、ふっと温度が失われる。
「俺は……知らないままにしておきたくない。
自分が今まで斬り殺していたものが、何だったのか、を……」
重く冷たいその声に、ロッソは視線を上げてリンデルの表情をうかがう。
リンデルは遥か彼方、北の方角を見つめていた。
もう、今まで何体の魔物を倒したのか、覚えてはいない。
それこそ、数え切れないほど斬った。
魔物の返り血を浴びて、温かいと思った。
剣を伝うそれは、俺と同じ、赤い色をしていた。
戦場にはいつも、人と、魔物の死体が残る。
処理班が地中に埋めてゆくそれは、どこから、どうやって生まれたのか。
なぜ人を襲うのか。
誰も知らないその答えが、北にあるだろうことだけは、なんとなく分かっていた。
魔物の現れる方角は、いつも決まって北からだった。
「北の山はまだ……雪だらけかな?」
リンデルの声がいつもの温度に戻って、ロッソはホッと肩の力が抜ける。
ロッソの耳に、リンデルの柔らかな心音が届いている。
ゆっくり、呼吸と共に上下するあたたかな胸に、自身の耳と頬が触れている事を、ロッソはようやく意識した。
途端、頬がじわりと熱を持つ。
リンデルが、腕の中で黙り込んでしまったロッソを覗き込む。
視線を感じて、小柄な従者は顔を上げようとしたが、どうしても出来なかった。
この温もりを手離したくない。そう強く願う私とは違って、この方は、もう私と二度と会わないつもりでいるのだろう。
そうでもなければ、この方がこんな風に私を抱いてくださるとは思えなかった。
顔を上げてしまえば、そこには別れを覚悟した主人の……いや、元主人の顔があるのかと思うと、たまらなく恐ろしかった。
俯いたまま、顔を上げる気配のないロッソを、リンデルはそっと撫でる。
宥める様に、長年の労をねぎらうように。
リンデルの長い指が自身の黒髪をゆっくりと撫でるたびに、ロッソは息が苦しくなってゆく。
この方のお傍を離れたくない。
本当は、一瞬たりとも離れたくない。
長年胸の奥へ押し込めていた思いが、もう溢れてしまいそうだった。
「もし……」
消えそうなほどの微かなロッソの声。
「……もしも、私が……、貴方に生涯仕えたいと……願ったならば……」
リンデルは動きを止めると、黙ってその先を待った。
髪を撫でていた指が止まり、ロッソは不安に駆られ顔を上げてしまう。
しかし、リンデルは困った顔でも悲しそうな顔でもなく、ただ優しくロッソを見つめていた。
あたたかな金色の眼差しで。
「……っ。貴方は……私の我儘を、許してくださいますか……?」
ポロリ。と転がるように落ちた何かが、自身の涙だったのだと気付く前に、ロッソは金色の青年の微笑みに心を全て奪われた。
「俺で良いのなら、喜んで」
ほんの少し恥ずかしそうに、それでも嬉しそうに金色の髪を揺らして笑う青年。
優しげに細められた金色の蜜のような瞳が、とろりと蕩けるように揺らめく。
もっと、躊躇われるかと、戸惑われてしまうのではと、思っていた。
それが、こんなにあっさり。
こんな風に、笑って許してくださるなんて……。
「あ、でも俺これから無職なんだよな……、お給金はあんまり期待しないでくれるか?」
思い出したように忠告するリンデルに、ロッソは思わず苦笑する。
「貴方の懐事情は、十分承知しております」
「あー…………。それもそうか」
リンデルはもう一度、恥ずかしそうに笑う。
その笑顔に、ロッソもまた微笑んだ。
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ノックの音に男が扉を開けると、そこには目深に帽子を被り、口元を布で覆った不審な格好の人物が立っていた。
「あ、カース、その、俺……」
口元の布を下ろしながら、何事か説明を始めようとする青年に、男は短く答えた。
「分かるさ」
リンデルの金色だった髪は茶色く染められていたが、理由も男には大体想像が付いた。
男はサッと青年を家に入れると、扉に鍵をかけた。
「……待たせてごめん」
リンデルは、男が振り返るのを待ちきれずに、その背を抱き締める。
「もう、来ないかと思ったよ」
責めるでもなく、ただ静かに告げられた男の言葉に、リンデルの胸が痛む。
「ごめん……」
リンデルから男の元へは手紙が届いていた。
王都でやり残している事がいくつかあると、すぐには行けないけれど、必ず会いに行くので待っていてほしい。と。
けれど、男は手紙が返せなかった。
リンデルはこの半年ほど、あちこちを泊まり歩いていて、王都に住所を持たなかった。
その間、新勇者の情報は度々村にも届いたが、リンデルの情報は、退任式の列席者数が過去最多だった。と。惜しまれながらの退任だった。というのが、カースの分かる全てだった。
そうして、連絡の取れないリンデルを待つうちに、春が過ぎ、夏が始まり、次第に暑さも過ぎて、朝晩が冷えるようになってきた。
「リンデル……」
青年の腕の中で男が振り返ると、青年を片腕なりに強く抱き返す。
「ごめん、カース……不安にさせたね……」
「……っ、……気にするな」
男は、胸に蟠る思いを飲み込むように一瞬息を詰まらせてから、青年の耳元でどこか淋しげに囁いた。
お茶を出すと、リンデルは「初夏までここに居させてほしい」と言った。
てっきり、これからずっと共に居られるものと思っていた男が表情を険しくする。
「……夏が来たら、お前はどこに行くんだ?」
「春が過ぎたらロッソが来る。そうしたら、俺は……」
リンデルが珍しく言い淀む。
「……俺は……」
この青年がはっきり言わない事なんて、良くない事以外にあるはずがなかった。
男は、青年の説明を黙って聞いていた。
全てが終わって、国王に報告を終えたら、すぐに男の元に戻ると青年は言った。
リンデルの言葉が途切れるまで待って、ようやく、男が声を発した。
「……俺も行こう」
「ダメだよっ!!」
リンデルは叫ぶと同時に立ち上がった。
机が揺れて、上に並んだ二人分のお茶に波が浮かぶ。
「本当に……危険だから……っっ」
青年のぐっと握り締めた拳が小さく震えるのを、男は視界の端におさめる。
しかし、リンデルがすうと息を吸って、静かに吐いた時、その震えは止まった。
ゆっくりと、諭すように、リンデルはカースに伝える。
「俺は、本当に死ぬつもりはこれっぽっちもないんだよ。
無理だと思ったら、どんなにみっともなくたって、逃げ帰ってくるよ。
背中に傷をもらったって、俺は構わない。
カースのところに帰ることの方が、ずっと……大事だから……」
そして、カースを安心させるように柔らかく微笑む。
カースはそれでも、嫌な予感が消えなかった。
このまま一人で行かせてしまうと、もう永遠に、この青年には会えない。
そんな予感は、既に確信に近い。
それどころか、自分にすらも気を遣って、恐怖を隠そうとするこの青年が、男には今にも儚く消えてしまいそうな気さえした。
リンデルを一人で行かせてはいけない。と本能が告げる。
男はなるべく鋭い言葉を選んだ。
「……お前が死んだら、俺も死ぬ」
じっと森色の瞳に見据えられて、青年がたじろぐ。
「なん、で、そんな事……」
僅かに青年の声が掠れる。
男は静かに左眼の布を解いた。
現れた空色の瞳からリンデルは目を逸らす。
その姿に、男は小さくため息をついた。
「俺の力を忘れたわけじゃないだろう。俺に嘘がつけると思うなよ」
「……っ」
リンデルが言葉に詰まる。
「分かってるよ。お前が俺を置いて死ぬつもりじゃ無いことくらい。
……だが、帰って来れないかも知れないとも、お前は思ってる。そうだろう?」
「……」
リンデルは、沈黙したままではあったが、じわりと金色の瞳を男へ向ける。
その金の瞳に隠しきれない不安と葛藤が映っているのを見た瞬間、男は席を立っていた。
男が胸に抱き寄せたリンデルは、やはり小さく震えていた。
そっと髪を撫でながら、男は囁く。
「お前だって怖いんだろう」
「そんなこと……」
「隠さなくていい。俺は、行くなとは言わない……」
男には、リンデルが一番怖がっていることが、なんとなく分かった。
死ぬかも知れない場所に向かうことはもちろん怖いのだろう。
けれど、リンデルはもう行く決心をしている。
だからこそ、俺に行くなと言われたくなかった。自身の決意が揺らぐこと、それこそがリンデルにとって一番怖いことだからだ。
そのためには、怖がっていることを悟られてはいけなかった。怖いなら行かなきゃいいと、言われてしまうと思ったのだろう。
「カース……」
優しく抱かれて、リンデルが詰めていた息を吐くように、男の名を呼んだ。
「ありがとう……カース」
「けどな。行くなら俺も一緒だ」
「……っ、それは……」
男の顔を見ようとしてか、抱かれた胸元からぐいと離れようとするリンデルを、離すまいとするかのように男が片腕に力を込める。
「共に生きられないなら、せめて、お前と死なせてくれ……」
男の懇願が篭った切なげな声に、リンデルは抵抗をやめ、男の背に腕を回す。
「……カース……」
耳元で囁かれて、男がそちらを見る。
自然と、二人は口付ける。
震えていたのは、どちらの唇だったのか。
優しく重ね合わせるだけの口付けで、じっと触れ合っていると、次第に震えは落ち着き互いの熱が交わってゆく。
リンデルは名残惜しそうに、ゆっくり唇を離すと答えた。
「分かった。……一緒に行こう」
「リンデル……」
二人は互いを見つめる。
「でも、俺カースが狙われたら、どんな状況でも絶対助けちゃうから。
俺に大怪我されたくなかったら、カースはなるべく安全なとこにいてね」
「……脅しかよ」
カースがボソリと呟くと、リンデルが楽しそうに笑った。
「ほんとだ」
その台詞に、男も苦笑する。
男の笑顔が無性に愛しくて、リンデルが囁く。
「カースも一緒に、生きて帰ろう。そして二人で暮らそう。あ、子どもも引き取ろう。ね」
にこっと嬉しそうに笑うリンデルを、男が何故かじとりと見つめる。
「そういうの、行く前に言ってると余計死にそうなんだよな……」
「うーん。じゃあ、三人で暮らそう?」
「ん?」
リンデルが言い直し、カースは眉を上げた。
「そういや、ロッソも行くんだよな?」
「うん」
「あいつはいいのか? 一緒に死んでも」
「ロッソは、連れて行かなくても、俺が死んだら死んでしまいそうだから」
「!?」
さらりと答えられて、カースが息をのむ。
そんな動揺を見透かすように、リンデルが上目遣いでカースを見る。
まるで、カースは本当は俺が死んでも生きていけるでしょ? と言われた気がした。
そうかも知れない。いや、きっとそうだろう。
俺は、戻らないリンデルを想いながら、あいつの墓に愚痴をこぼしながら、ここで生活して行くのだと思う。
今までそうしてきたように。きっと、これから先も……。
ちゅ。と音を立てて、リンデルは男に口付ける。
ハッと我に返った男の無防備な唇を割って、リンデルの舌が男の口内へと侵入する。
「んっ……」
気持ちが整わず、男が小さく声を上げる。
リンデルは男の頭を引き寄せるようにして、さらに深くへと入り込んだ。
「ふ……、ぅ……」
動揺をまだ残している男が、どこか苦しげに息を漏らすのを聞きながら、リンデルは舌先で男の舌を撫で上げる。
「……っ」
かあっと男が頬を染めるのを、薄く開いた瞳で確認すると、リンデルはそっと口端を上げた。
リンデルは、男が自分が死んでも後を追わずにいてくれるだろうことを、好ましく思っていたし、彼の良いところだと思っていた。
だからこそ、ついてくると言われて驚いた。
リンデルが男の舌ごと口内を吸い上げると、くぐもった声と共に、男の肩がびくりと揺れた。
すっかり力が抜けてしまった男の体を支えながら、そっと唇を離してやると、男は森の色と空の色をとろりと蕩けるように滲ませてリンデルを見た。
「リン、デル……」
はあっと熱い息を吐くようにカースが囁くのを聞いて、リンデルは堪えきれずに男を抱き上げた。
「ぅ、わぁ!? おいっ!?」
非難の声すら愛しくて、口元を緩ませながら、リンデルは小さな家の台所を抜けて寝室へと入った。
そこには自分が選んでロッソが手配した、一人で寝るには広すぎるフカフカのベッドがある。
その上へ、男をそっと下ろす。
「リ、リンデル……? まだ、昼前……だぞ?」
「うん、そうだね」
答えながら、リンデルはにこにこしながら簡易的な肩当てと胸当てを外している。
そのまま上着を脱ぎ捨てると、鍛え上げられ引き締まった筋肉が露わになった。
「なんで脱ぐんだよ……」
カースの溜息に、リンデルがふわりと笑う。
「え、分かんない?」
「……わから、なく、は……」
花のように無邪気な微笑みに、カースは返事に詰まる。
ずるりと下まで脱いで、青年は男に覆い被さる。
「カース……」
こんなに清らかな、天使のような笑みを浮かべているのに、その下半身では既に欲望がそそり立っている。
男がそのギャップに息を飲むと、リンデルはその唇に口付けた。
くちゅっと水音を立てながら、角度を変えて男の中へ何度も侵入する。
「ん……っ、ふ……ぅ、……っ」
男の息が上がってくると、またその浅黒い頬に赤みが差した。
「はぁ……っ」
銀糸を引きつつ口を離したリンデルもまた、白い頬を桜色に染めている。
「カース……、俺と、えっちなこと、しよ?」
ゆるりと金色の瞳を滲ませて、リンデルが囁く。
「…………」
カースは、眉を寄せると僅かに目を伏せ、渋々という風ではあったが、頷いた。
「ふふ。いっぱい、気持ちよくしてあげるからねっ」
リンデルが、嬉しそうにカースの服を脱がしにかかる。
「ま、待てリンデル、俺がし……っ、んんっ」
慌てるカースの唇を、リンデルは自身の唇で塞いでそのままベッドへゆっくり押し倒す。
「んっ……」
服の上から胸を撫でると、男がびくりと肩を揺らす。
リンデルはその反応を嬉しく思いながら、そのまま、男の耳へと舌を這わせる。
「ぅ……っ、くっ……」
首筋をゆっくり舐めながら、リンデルは囁いた。
「俺、カースの……いっぱい、注いでほしい……から……」
言われて、男は自身の首筋に顔を埋めている青年の頭をそっと撫でる。
「先に、入れてもらってもいい……かな……?」
上目遣いに見上げられ、男は滲んだ瞳で苦笑する。
「ああ、お前の好きにしていい」
「ありがとう。カース、大好きっ」
青年が飛び付くようにして頬に口付ける。
茶色に染められた青年の髪を愛しげにそっと撫でた男が、次の瞬間、びくりと肩を揺らす。
青年は、腕を伸ばして男のそれを撫でていた。
「カースのも、もうガチガチだね」
「誰のせいだと……」
「俺のせいだよね」
男の足元に移動しつつ、カースの言葉に被せてリンデルが弾んだ声で言う。
「ちゃんと俺が、ふにゃふにゃになるまで、してあげるからねっ」
ぞくりと、カースの背を快感ではなく悪寒が襲う。
「リンデル!? 一回で、十分……っ!」
手早くズボンを下ろされると、男の物は青年の少し汗ばんだあたたかな手に包まれ扱かれる。
「ん……ぅ……もう、入れて、も、い……かな……?」
うっとりとそれを眺める青年に、男は焦る。
「いや、まだお前が……」
「俺……、も……だいじょ、ぶ……っ」
良く見れば、青年は片方の手で自身の入り口を広げていた。
「お前……」
男に若干引かれて、青年は誤魔化すように苦笑を浮かべながらも、男の物を自身にあてがった。
「入れる、よ……」
言って、男の上へ覆い被さる青年。
つぷ。とあたたかなその中へ入り込む感覚と、続いて肉を割ってゆく感触に、男が思わず眉を寄せる。
「んん……っ、カースの、気持ち、い……、ぁ……っ」
リンデルは頬を朱に染めて、小さく体を震わせた。
「は……、あ……っ、ぅん……、ぜん、ぶ……入っ、た、よ……」
上がる息を整えようとしている青年の髪を、男が愛しげに撫でる。
「ああ、……リンデルの中は、あたたかい、な……」
「ん……っ、カースの、も、熱くて……」
上擦る声で答える青年の中で、男がゆっくりそれを揺らすと、青年がぎゅっとしがみついてきた。
「あっ、ん……っ、ああっ……」
リンデルの甘い声に、男の背筋がぞくりと浮く。
思わず奥を突き上げると、青年が小さく跳ねた。
「ああんっ!」
ぽた。と青年の口元から一雫、男の胸元に落ちたそれを、青年が背を丸めて舐め取る。
その申し訳なさそうな仕草に、男は苦笑を浮かべつつも、その理性を飛ばしてやりたいと思った。
ぐんっと大きく突かれて、青年が甘い声をあげる。
二度、三度と強く突くと仰け反った青年の内側がじわりと吸い付いてくる。
「リンデル……」
優しい眼差しに呼ばれて、青年は男に顔を寄せる。
男はその唇を塞ぐと、片腕で青年の腰を引き寄せる。
「んんっ!」
そのままぐいと奥を突かれて、青年がびくりと跳ねる。
青年の弱い部分を中心に、ぐりぐりと掻き回す。
「んっ、んっ、ぅんんんんっっ」
青年に快感を仰け反って逸らす癖があることを、男は良く分かっていた。
「ぅんんっ、んんっ、んんんんんんっっ」
襲い来る快感を逃せないよう、強く抱き寄せたまま、男は奥へ奥へと突き上げてゆく。
青年の頬が朱く紅く染まってゆくのが、至近距離でも分かる。
塞がれたままの唇が、青年の呼吸をさらに困難にしていた。
「んんっ、うんんっ、ぅううんんんんっっ」
涙の粒が浮かぶのを見て、男が唇を離してやると、青年の嬌声が寝室に甘く響いた。
「あああっ、あっ、ああんっ、ゃああああんっっ、カースっ、激し……っっ」
可愛らしい鳴き声に、男が昂まる。
「ああんっ、きもち、い……、いぃ、よ……ああっ、いいっ、んああああんっ」
リンデルの声に煽られて、男の中心へ熱が集まってゆく。
「も、あっ、だめ……い……っ、イっちゃ、うっ、あっ、イっちゃうううううっっ」
ビクビクと大きく痙攣しながら、青年が仰け反ろうとするのを男がさらに押さえ込む。
ぎゅううううっとナカで締め上げられて、男が眉間に深く皺を寄せる。
「俺、も、イクぞ……っ」
「んっ、きて……っカース……っああっ、俺の、ナカいっぱい、に……あぁあっ」
男が激しく突き上げると、応えるように青年が止めどなく声を上げる。
狭い寝室に青年の快感に喘ぐ声が絶え間なく響く中、二人を支えるベッドは、繰り返し揺らされても酷い音を立てることは無かった。
息も継げず、どうしようもなく青年の口元から雫が落ちる。
けれど、男から与えられ続ける快楽を受け止める事で精一杯の青年は、それに気付くことすら出来なかった。
「ふぁ、あっ、あぁあぁああああっっ! おっき、いぃっっ、あああぁぁっっ!」
「くっ!」
一際奥まで突いて、男が動きを止めると、青年が涙を零して痙攣した。
「ああああああっっ、ぅぁあぁぁあああっっ、ぅぅう……、んんんっ……っ」
仰け反ることを諦めた青年が、ぎゅっと男にしがみつく。
ビクビクと小さく跳ねる体が、まだ青年が感じている事を伝えていた。
「リンデル……可愛いよ……」
耳元で囁かれて、青年が肩を揺らす。
男は上がった息を整えながら、青年の髪を撫でた。
「ぅぅ……、ふぅ……、ぅうん……っ」
涙の溢れる頬を男の胸に擦り寄せながら、青年は息をすることに必死な様子だった。
男はそんな青年をなるべく刺激しないように、じっとしたままゆっくり髪を撫でる。
青年の髪は、勇者を辞めてから切っていないのか、後ろ髪はギリギリ結べそうな長さにまで伸びていた。前髪がそこまで伸びていないのを見るに、不精ではないのだろう。
髪型を変えるつもりなのか。
それは、勇者だった頃の見た目を変えなければ、日常生活が不便だと言う事なのだろうか。
男の愛した金髪が茶色く染まっているのを、男は正直残念に思っていた。
「ん…………」
青年の漏らす声が少しずつ少なくなってくる。
まだ時折ピクリと痙攣を続けているが、そろそろ良いかと男がそれを抜こうとする。
「あ……。やだ……抜かない、で……っん……」
リンデルに止められて、男が一つため息を零した。
「抜かないでどうする。言っておくが、ねだられても俺はもう無理だからな?」
「ん……もう、ちょっと……だけ……」
潤んだ瞳で見上げられ、男はもう一つ息を吐いた。
「しようのない奴だな……」
まあいい。たとえ春までだとしても、まだ時間はある。
今のこいつは俺だけのものだ。
こんな風に日の高いうちから抱き合っていたって、誰にも咎められやしないだろう。
そう思うと、男の口元に自然と笑みが浮かんだ。
「……カース……?」
不思議そうに見つめる金色の瞳。
「いや、なんでもない」
男は口元を隠すと、苦笑して答えた。
まさか、目の前の青年が自分だけのものだと認識して、うっかりにやけてるだなんて言えるはずがない。
それでも、男の纏う柔らかな空気に、青年がつられて心を弛ませる。
「カース、俺……本当は……」
「ん?」
「……っ。やっぱりいい」
頬をまた少しだけ赤らめて、リンデルが俯く。
「なんだ。そこでやめたら気になるだろ」
「……だって、カースに嫌われるかも知れないから……」
「ああ? 余計聞き逃せねぇな」
カースが森と空の色を半分ずつにして、じとりと青年を見る。
「だって、カース……さっきちょっと、引いてたでしょ……?」
子どもっぽい言い草に、カースが苦笑する。
「お前があまりにやる気で、ちょっと驚いただけだ」
言って、男は思う。この青年と自分とは二十歳近くも離れている。
まだこいつは若い。
毎日求められても、俺はこいつを十分満足させてやれないだろう。
たとえ、リンデルが生涯を俺と共にと思ってくれたとしても、俺はこいつを置いて逝ってしまうほかないんだろう……。
ふっと男の瞳に暗い影が差して、リンデルは男の頬へ指を伸ばした。
「カース……。俺と繋がってる時に、悲しい事は考えないで……?」
言われて、そっと口付けられる。
「ん……」
唇を離すと、青年はふわりと微笑んだ。
「リンデル……」
青年はほんの少し恥ずかしそうに目を伏せて、それから、少し照れ臭そうに告げた。
「俺……、本当は、ずっとカースと繋がったままでいたいんだ」
言われて、男の顔が小さく引き攣る。
「……お前………………」
「うううう、やっぱりカース引いてる……」
「まあ……ちょっと、な……けど別に、嫌ったりはしねぇよ」
涙目の青年へ、男が苦笑とともに返す。
「俺の……本当の。一番の願い。カースに聞いてほしくなったから……」
ちょっと悔しそうな顔をして男を見上げる青年に、男は堪えきれず笑った。
「ハハッ、お前、そんなのが一番の願い事なのか?」
男が笑うと、振動で萎えたそれがずるりと抜ける。
「……ぁぁ……」
リンデルが淋しげに肩を落とす。
そんな青年の仕草に、男はほんのりと罪悪感を感じつつ、
「お前の願いはもっと崇高なやつなんだと思ってたよ」
と零しながら、枕元から手拭いを手繰り寄せ、自身と青年を拭いてやる。
「騎士としては、皆の笑顔を守るのが願いだし、使命だとも思ってるよ」
「そうか」
男は器用に片手で手を拭うと、ベッドに座り込んでいる青年の頭を撫でる。
「だからこれは、俺の個人的な願い。誰にも内緒の、本当の、俺の……」
呟きながら、青年は自身の両手をゆっくり握って、また開いた。
まるでそれは見えない何か……鎖のようなものを掴んでいるようにも見えた。
「……笑ったりして、悪かったな」
男はそんな青年の前髪を指先で割ると、その額に口付ける。
「ううん」
青年は少しだけ憂いを残したまま、微笑む。
「じゃあ……今日は、なるべく繋がっとくか?」
カースに低く囁かれて、リンデルは金色の瞳を丸くした。
「……いいの?」
「特別、な」
カースは目を細め、口端だけを持ち上げてニヒルに笑うと、支度をするから待ってろ。と言い残して部屋を出て行った。
リンデルは、ごそごそと二人用の布団を両腕一杯に抱き寄せると、そこに期待に染まった頬を突っ込んで、ふふっと小さく笑う。
こんな幸せな時が、ずっと続けばいいのに。
そう思ってしまってから、リンデルはもう一度、そのために自分が為すべき事について、静かに考えた。
今この時も、どこかで誰かが魔物によって、あるべきだった幸せを奪われているかも知れない。
今この時も、新たな勇者は魔物と剣を交えているかも知れない。
どちらも、もしもの話だったが、今この時も、ロッソが新たな勇者の元で尽力しているだろう事は疑いようがなかった。
残してきた隊員達の顔が次々と浮かぶ。
ぐい、と見えない鎖に首を絞められたような気がして、息が詰まりそうになるのを、リンデルは首元を掴むようにしてじっと堪える。
皆、ごめん……。
でも今日だけ……、今日だけだから。
どうか、許してほしい……。
リンデルが、自身の幸せにいつの間にか重苦しい罪悪感を抱えて蹲っていると、ギィと寝室の扉を軋ませて、男が戻ってきた。
その音に、リンデルはハッと顔を上げる。
少し前から止んでいた水音にも気付かなかったなんて、気が緩みすぎていたのかも知れない。
キッと一瞬で気を引き締めて、青年は慎重に男へ微笑みかけた。
男は内心驚いていた。
ほんの一瞬だけだったが、男は扉を開いた瞬間の、青年の表情を目にしてしまっていた。
あんなに嬉しそうに、期待に満ちた眼差しで自分を見送った青年が、まさかこんなに苦しげに眉を寄せて膝を抱えているとは、思いもしなかった。
今までこの青年は、ただ俺の事だけを考えているように、そう見えるようにしてくれていただけだったのだ、と。気付くと同時に、今の青年にはその余裕すらないのだということを、男は知る。
「待たせたな」
なるべく優しく声をかけると、
「ううん、カースのこと考えてたら、あっという間だったよ」
と青年は笑ってうそぶいた。
素肌に長めの上着を羽織っただけの男が、ベッドに上がる。
上等のベッドは音を立てることもなく、体重をかけた分だけが静かに沈んだ。
悲しげに揺らめく空と森の色をした瞳に、じっと物言いたげに見つめられて、リンデルはじわりと焦る。
先程の顔を、見られてしまっただろうか。
カースは、せっかく俺のために準備をしてきてくれたのに、俺がこんなことでは……。
金色の瞳に焦りと悲しみが宿る。
男は黙って青年を抱き寄せた。
「なあ……俺はそんなに、頼りにならないか?」
耳元で低く響く声に、青年は小さく肩を揺らした。
「え……」
「お前が成長したのは良くわかってる。もう子どもじゃない。俺に隠したい事だって、たくさんあるだろうよ」
「そん、なこと……」
「隠し事は構わない。俺だってそうだ。だが、隠しきれない事なら……、お前にとって、抱えきれない事なら……」
男がじわりと体を離し、青年の瞳を真摯に覗き込む。
濃く深い色をした森と、どこまでも透き通るような空に、リンデルは吸い込まれそうな気がした。
「俺にも、その荷を分けてくれないか……?」
「……カース……」
青年の瞳が戸惑うように揺れる。
「俺…………。俺は、大丈夫だよ……」
「リンデル……」
「何も問題ない。困ってる事なんて、何もないよ……?」
青年は伏せかけた睫毛をもう一度持ち上げて、ふわりと微笑む。
けれど、男にはそんな仕草すら、どこか儚く消えてしまいそうに見えた。
「……分かった」
男はそれだけ答えると、青年の頭を胸に引き寄せる。
ゆっくり、ゆっくり青年の髪を撫でてやると、青年は次第に表情を弛める。
「お前が、どうして自分を責めてるのかは知らねぇが……」
頭上から、男の優しい声が降ってくるのをリンデルは目を細めて聞いている。
「俺は、お前が何をしたって、全部許してやるよ……」
慰めるように囁かれて、リンデルが顔をあげる。
「カース……?」
「なんだ?」
男がその瞳で青年を見る。
青年の心の底で澱のように溜まり続けていた罪悪感が、男の瞳を見つめているだけで、するすると森の奥へ空の向こうへと吸い上げられてゆくような気がした。
「カースは、俺に、甘すぎない?」
言われて男が苦笑する。
「……そうだな」
男は黒髪を揺らして艶やかに笑うと「昔からな」と付け足した。
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