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指の本数を増やした後は、無理に奥へ捻じ込もうとせず、ゆっくりを心がけて入り口近くを愛撫した。 揃えた指先でお腹側のザラついた内壁をトントン叩く。 時に押し当て、前後に撫で上げ、じっくり圧迫したりもした。 「あんっ」 勝手に嬌声が溢れ出て柚木は唇をきつく結ぶ。 「もう少し奥、()れてみるから……な」 「ぇっ……っ、ぁ、待っ……ん、ぅ、ぅ、ン、ぅっ……ぁぁ……っ」 窮屈だった蜜壺が徐々に解れていき、比良の指がさらにナカへやってきて、柚木はまたすぐ声を上げる羽目に。 これまでに触れられたことがなかった領域にまで愛撫が及ぶ。 耳を塞ぎたくなる、はしたない水音。 隅々までぬかるむ蜜穴内を二本の指が行き来し、愛液が掻き出され、着衣に翳る秘部がびっしょり濡れていく。 (どうしよう、また……) せめぎ合う内壁の狭間で行われる密やかでいて熱烈な指姦。 先刻のオーガズムから間をおかずして迫りくる数回目の絶頂を柚木が予感していたら。 「服が汚れそうだ、脱がせるよ、柚木」 ちゃんと断りを入れてきた比良に揺らいだ奥二重まなこ。 服を脱がせるため、蜜穴に長居していた指が慎重に引き抜かれていき、とろとろな入り口から脱した瞬間。 「ん……っっっ……!!」 比良は目を見張らせた。 明らかに肢体が張り詰め、扇情的に腰を浮かせた柚木に今一度釘付けになった。 「柚木、今……」 「っ……はぁっ、はぁ……っ……は……ぁ……」 半ズボンとトランクスが絡まる下肢をビクビクと波打たせ、十秒後に泣き出しそうな目で柚木は比良を見つめる。 「ぃ……ぃっちゃった……ふぇぇ……」 (指、抜かれたときに、いくなんて) やっぱり、おれの体ばかになってる。 比良くんに確実にだめにされてる。 「ぅぅぅ……どうしよう……ばかになる……取り返しがつかなくなるくらいの究極おばかになる……っ……っ……んっ……ン……」 嘆いている途中で柚木は比良にキスされた。 抱き起こされるや否や、お膝の上に案内されて伸びやかな両腕に細腰をしっかりホールドされる。 互いの唇が溶け合うような口づけを一身に浴びた。 「ん……ん……ん……」 愛情メーターの針が吹っ飛んだ別格のアルファの性フェロモンをモロに喰らいっぱなしのオメガは彼に身を委ねながらも、ちょっとだけ不安になる。 (超ド級へっぽこになっても、比良くん、おれのこと好きでいてくれるかな……?)

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