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Chapter 23―2

〈A side〉 奏生は面白くなかった。 確かに、最初は思わぬ再会を歓迎してはいなかった。しかし、顔を合わせて話をすれば、東城に惹かれているのを認めない訳にはいかず、奏生はあっさりと腹をくくったのだ。 東城に堕ちる覚悟をした。 なのに、これだ。 何故、急に純愛思考になったのか。 一言、奏生の気持ちを伝えればいいだけだろうが、それではつまらない。それに、素直な自分など気持ちが悪る過ぎて無理だ。 なにより、東城の大人ぶった態度が真底気にくわない。 ―――その程度かよ。 端的にいえば、もっとがむしゃらに求めて欲しかったのだ。 奏生の考えている事など想像もしていないのか、目の前の東城はショックを受けて固まっている。 「ほら、どうするんだ?オレが他の奴に抱かれてもいいのか?」 「それは、いやです。」 ショックから復活はしていないようだか、東城が焦ったように答える。そんな姿を見て、少し気分が上昇した。 我ながら、性格が悪い。 ―――分かってる。 随分と自分勝手だとは自覚しているが、奏生に改める気は更々ない。そういう性格なのだ。そんな性格の人間を好きになった、東城が悪い。 「雨宮さん、でも、」 「ごちゃごちゃ言うな。臆してる暇があったら、口説いてこいよ。そんなナヨナヨした奴にオレが惚れるとでも?」 奏生が偉そうに言い放つと、東城が諦めたように肩を落とした。まだ迷っているような困り顔で、仁王立ちする奏生の元へ東城が近寄って来る。

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