巧さんの唇が胸の突起に寄せられる。ぬるりとした舌で押しつぶすように舐められて、背骨から甘い痺れが走った。 「はっ、んん……っ、たくみさ、きもちい……っ」 　ぐりぐりと舐められて、もう片方も摘んだり引っ張られたりするから身体がビクビクするのが止められない。 　もっと、もっとしてと強請るように身体を押し付けてしまう。 　うぅ、恥ずかしい……！　でも身体が勝手に動いてしまう。 　巧さんもそれに応えるように、より一層強く吸い付いて、じゅる、といやらしい水音が部屋に響いた。 「あっ、んぅ……！」 　甘えたような声が出る。 　俺の性器からは先走りがだらだらと溢れ出て、下着を履いているのが気持ち悪くなってきた。 　巧さんが優しく歯を立てると、より一層強い快感として身体が反応する。 「あ……ッ！　たくみさんっ、ふっ、噛んじゃやだぁ……」 「何で？　葵くん好きでしょ？」 「す、すきじゃな……ひっ、きもちよすぎて、むりぃ……っ」 　そう訴えても、巧さんは噛むのを辞めてくれない。 　両方とも強く虐められて下腹がずん、と重くなる。俺のペニスは痛いぐらい腫れ上がっていた。 　ひぃ、やばい……！　でちゃう……ッ！ 「あっ、たくみさ、……んっ、はなしてぇ……、おねがい……ッ！」 　それでも巧さんは止まることなく、歯を立ててもう一方は指の先で弾く。強い刺激に、身体に電流が走る。もう我慢の限界だった。 「あっ、ああ……！！」 　お腹が痙攣して、どくどくとパンツの中に吐精してしまう。 　う、うそぉ……？！ 　風俗嬢の姫が言っていた『胸触られても気持ち良くないのに執拗に乳首を触ってくる客、AV見過ぎでキモい』の愚痴を思い出す。　 　俺の身体どうなってるの？！　AVかよ！　乳首だけで射精するなよ！！ 　何で俺の身体こんなすぐエロ漫画みたいに気持ちよくなるの？！　おかしくないッ？！ 　まさかの乳首だけで射精してしまうという快挙、違う！　愚挙だよ完全にっ！　なんて信じられない……！ 　乳首がぷっくりと腫れ上がってるし、お尻は別の刺激を求めてきゅんきゅんしているし、俺は自分の身体がわからなさすぎてパニックになった。