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第50話
目的地を告げていないけれどホテルに到着し、そのまま部屋に入ると後ろから巧さんにぎゅうぎゅうと抱き締められる。
「巧さん……?」
力強く抱き締められて、後ろを振り向けない。
声を掛けても、んー、と気の無い返事が返ってくる。
「……?」
無言だ。どうしたんだろう。
そのまま巧さんの気の済むまで抱き締められていると、突然浮遊感が襲う。
「わっ」
巧さんに抱っこされ、ポスンとベッドまで降ろされたら、顔面にキスが降ってきた。
「ふっ、くすぐったいです」
「くすぐったいかぁ」
巧さんと目が合った後は、どちらからともなく唇を合わせた。
触れるだけのキスでも、巧さんとしているから気持ちいい。もっとしたい。
何度も角度を変えてくちづけされる。唇を啄まれているうちに、ぬるりと舌が入ってきて舌を絡ま合う。
「んっ、巧さん……」
あっという間に服を脱がされて、下着だけになる。
俺は下着姿なのに、まだスーツを着込んでいる巧さんとの差に恥ずかしくなって巧さんのスーツに手を掛けた。
四苦八苦しながら何とかスーツを脱がすと、巧さんのものはもう既に臨戦態勢だった。
下着も脱がせて、巧さんのペニスに口付ける。
ちょっとしょっぱくて、青臭いにおい。だけど巧さんのものだから気にせずぱくりと亀頭を口に含んだ。
くびれを舐めあげると、巧さんのペニスが口の中でビクッと反応する。俺はそれが嬉しくて、口を開けて奥まで加えこむ。
吸い上げながら口を動かすと、じゅぼじゅぼといやらしい水音が響いた。
「上手だね、葵くん」
頭を撫でられて褒められると、俄然やる気がでる。
口を窄めて、音をたてて吸いあげる。ちゅう、と鈴口に吸い付くと、巧さんのぬるぬるとした先走りが出てきたので、飲み込んだ。
いつもこのペニスが俺のなかにはいってきて、気持ちよくなっちゃうんだよなぁ……。
そのことを身体はしっかりと覚えているから、巧さんのものを舐めているだけで、お尻がきゅんきゅんと疼く。
はやく挿れてほしい……。
俺の心を読んだかのようなタイミングで、巧さんの指がお尻の割れ目に触れた。
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