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第11話
「無意識に結婚して、正解だったと思いませんか?」
初夜のベッドに栃木が寝そべっていた。
「婚活とかで、頭で考えすぎて、疲れちゃうより」
俺は、いまいち納得していない。
「そのうち、納得しますって」
栃木は言った。
「そのうちっていうか、今夜中に?」
栃木は笑った。
「はぁ? おまえ、えらい自信ありげだな」
俺の栃木に対するライバル意識がムラムラと頭をもたげた。
こうなったからには、後輩に負けるわけにはいかない!
「明日の新婚旅行は……」
栃木が、地図を広げた。
「あれ、この地図おかしくないか?」
俺は地図をのぞきこんだ。
茨城と栃木の県境がなくなっていた。
「だって、僕たち、結婚したじゃないですか」
栃木が微笑んだ。
「えっ!?」
(完)
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