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第19話 お茶のみ友だちがいます:管理人

「じゃ、ちょっと行ってくるね~」 寝ている同居人にそう声をかけて、家を出た。 今日は仕事はお休み。 こういうタイミングで、たまのコーヒー飲み友だちと、待ち合わせをしたりする。 家にほど近い、珈琲店に向かう。 「おー、久しぶりだねえ。」 「お久しぶりです。」 シェアハウスに全然関係ない他人が、なぜこの話に登場しているのかというと、 それはこの話のキーマンだからに他ならないw。 元々は仕事仲間だったのだが、オレがあちこち転職するものだから、 元同僚という関係。その中で、電話番号の交換をしていて、個人的にお付き合いがある状態だ。 ただし。オレの方がずっと若くて。こちらのおじいちゃんはもう80歳になる。 「なに、今度の仕事はキツくないの?」 「パソコンがどーも調子悪くてさぁ」 「昨日は夜勤だったから、今日は大丈夫だよ」 何のことはない、他愛もない内容から、 「やっぱり君の言ったとおりだったよねぇ。今年はプラス1億売上げ伸ばすってさ」 「この前、インドから輸入してきたよ。これこれ」 「フロリダの老人ホームが、これまたいいところにあるんだよ」 この人の本業ともいえる内部事情も話してくれている。 オレは、この人に、認められている、ということになるかな。 「銀行の支店長さんが、俺の姿見たら、はーって頭下げてさ。職場でそれは止めてくれってw。周りの人(今の職場)がびっくりするからw」 以前、不動産の登記も見せてもらったことがあるんだけど、やっぱり予想通りの資産家さんだったということが、この前やっと分かって。 でもオレからは、手出しはしない。 ホントの、お茶のみ友だちだけ。 「じゃ、また今度ね」 「はい。また連絡しますね。」 といって、フツーに別れる。 これもまた他の人から見たら、変な光景になるかもしれない。

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