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第1話

僕は高校1年、16歳、春樹。春に生まれたから、春樹、単純な名前だ。 170センチ、50kgあるかないか、細身。 僕にはずっと好きな人がいる。 実の兄、現在、大学1年、18歳になる夏樹。 兄は175センチ、体重は聞いたことはない。 ずっと兄は中学から水泳部にいるせいか、スリ筋。スリムだけど、筋肉があって。 マッチョとかではないよ(笑) これから僕達の話を書いていけたらと思う。 僕達の家庭は最近よくある、両親は僕が中1の頃に離婚し、義理の母がいる。 そのせいか兄貴、すんごい優しい。 だから、好きになったんだ。 大学生になった今、兄は実家を離れ、といっても、3つ駅の離れたアパートで一人暮らししてる。 僕、義理の母、父のいる実家にもたまに遊び来てくれる。 「春樹、久しぶり、これ」 兄がお土産を手に実家に来てくれた。 義理の母はパートでいない、父は出張でいなかった。 「ありがとう!」 開けてみると、僕の好きなシュークリームが5つ。 「最近どうよ?親父やお袋と」 「んー...どうって別に」 「だったらいいけど、なんかあったら連絡しろよ、お前も思春期だしさ」 そう言って、微笑み、髪をクシャッとされた。 思わず、僕も笑みが溢れる。 兄の買ってくれたゲーム機で2人で僕の部屋でゲームして遊んだ。 「...強いなあ、お前」 「そりゃ、もちろん」 「ちゃんと勉強はしてんの?」 「まー、一応?」 僕達は傍から見たら、一見、なんて事はない、仲の良い兄弟だろう。 ただ、僕が勝手に兄を恋愛対象として見ているだけ。 兄は知らない。 知られたら...僕はどんな目で兄に見られてしまうか、それがとても怖い。 兄を意識し出したのは、両親が離婚して間もなくのことだった。 僕は当時、13歳、兄は15歳だった。 母と父の離婚の原因は知らない。 母が父に愛想をつかして出ていった、とは聞いてる。 その頃から兄は僕にとても優しくしてくれた。 それから僕の思いはどんどん、深みにハマっていったんだ。 いつか結ばれる、なんてまず無いんだろうな。 兄からしたら、僕は唯一の父以外の血縁のある肉親なだけだから...。

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