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第1話

俺は黒猫のクロ。 野良猫だったけど、ある日、見知らぬおばあさんがクッキーをくれたんだ。 人間になってた。 おばあさんは俺が猫では1歳だから13歳~18歳くらいだわネとか訳分からんこと言ってたが...。 どうする、どうするよ、これ。 人間、て服、ての着てんだっけ。 ...裸なんだが。 いつもの隠れ場では体がデカすぎるし... 「あら、クロちゃん?」 昨日のおばあさんがやってきた。 このババア!と言いたくなるが前を抑え、グッと怒りを堪えた。 「これ。困ってるんじゃないかと思ってねえ」 おばあさんが服を渡してくれた。 黒づくめ...はまだいい。 「...首輪?」 袋には黒の首輪も入ってた。 「それはね、GPSも入ってるのよ、もし誘拐でもされたらね、大変だもの」 じーぴーえす? と訳分からんうちに、ささっとばあさんが俺に首輪を着けた。 「さて、お腹空いたでしょう」 「かなり...」 「頑張って狩りに出ないとね」 「狩りに!?」 (この体でかよ!) 「じゃあまたね」 と、ばあさんは去っていった。

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