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第22話
マコが買い取られた。
俺は1人になった。
毎日、客に抱かれながら、泣きそうだった。
カズヤとリョウも受付兼、売春もするようになった。
スカウトは他の元売春仲間の18歳以上の人らに任せ。
とうとう、俺にも買い取りの話しが出た。
セイヤさんにみんなが居なくなったことを話したら、セイヤさんが俺を買い取る、と言ってくれたんだ...。
俺はマンションを離れ、セイヤさんに連れられ、セイヤさんの所有するマンションの一室にいた。
21階建ての高級マンションの最上階で、ベランダは全面ガラス張り、雄大な景色が見えた。
突然、インターフォンが鳴った。
セイヤさんが玄関に向かう。
俺はぼんやり、ガラス張りの窓から夜景を見ていた。
「カイ!」
懐かしい声に振り返るとシュンやマコ、トウマやエイジ、ヨウタにリク。
「...みんな。なんで...」
俺は泣きそうになりなった。
みんなを秘かにセイヤさんが買い取っていたことを知った。
「シンイチ...いや。事故で死んだ彼氏とのことで学んだんだ。俺ができるうちに、悔いのないよう、みんなも幸せに導きたい。て」
セイヤさんが微笑んだ。
俺は涙が出た。みんなが抱きついてきてくれる。
ぐすん。と鼻を鳴らし、
「でも、カズヤやリョウ、タクマ、どうしよう...スカウトだし...」
と呟いた。
「3人も今、売春させられてるみたいだよ、人が足りないらしい」
「買ったの...?」
「いや、実はこの計画、リョウと話した結果なんだ」
「リョウが?」
そう、とソファにセイヤさんが座った。
「俺が会社経営してる、てリョウも知っていたし、話し持ちかけられて、買取りません?て」
「そうだったんだ...」
俺たちは売春宿から離れ、普通の10代として過ごすことになった。
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