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聖夜当日2
榊はふわりと笑ってから、和臣の髪にキスを落とした。
「だからね、そんな恭ちゃんを独り占めできることが嬉しくて、いつものようにゴックンさせないで、顔射しちゃったんだ。僕のものってね」
榊を見つめる和臣の視線から執着心を感じて、思わず微笑んでしまう。
「そうだったのか。てっきり俺のタイミングが悪くて、口から外れたんだと思った」
「自己満でやっちゃったけど、いきなりは嫌だったでしょ?」
「そんなことない。ほかのヤツが見られない、もっとエロいことをする和臣を、俺にたくさん見せてほしい」
そう強請ったものの、重だるい躰を動かすことができず、嬉しげに瞳を細めて、和臣を見つめ返すのが精一杯だった。
「僕も恭ちゃんにお願いがあるんだ。今日一緒に買い物することで」
「今日の買い物?」
和臣からのクリスマスプレゼントは、今日一緒に買い物しながら決めようという、口約束をしていた。てっきり、もう一回を強請られると思いついていただけに、榊としては内心安堵のため息をつく。
「僕ね、恭ちゃんのピアノが聞きたい」
片腕に躰をそっと寄せながら告げられた言葉に、榊の両目が大きく見開かれた。
「恭ちゃんのピアノ、あれだけ上手に弾けるのに、このまま封印しておくなんて、やっぱりもったいないって思ったんだ。大きなピアノは値段の関係で購入できないけれど、電子ピアノなら買うことは可能だよ」
「和臣が俺のピアノを聞きたい、なんて……」
寄り添う和臣の手が、榊の片手を掴む。指先をリズミカルに握りしめて、マッサージするように動かした。
「この指で華麗にピアノを奏でる格好いい恭ちゃんの姿を、いつでも見ていたいっていう、僕のワガママなんだけど」
和臣の手によってにぎにぎされる榊の指先から、躰へと血が一気に押し出される感覚を覚える。心地いいそれは、躰の重だるさを吹き飛ばすものになった。
「それとも恭ちゃんに宿題を渡したほうが、やりがいがあるかなぁ?」
「うわぁ、なんかその言い方、なんとなく脅しに近くないか?」
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