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第25話

しばらくすると、 「にゃあぁ」 何処からとも無く、猫の声。 未だ、全裸のリクとカイ、ソラが部屋を見渡した。 布団を敷いた真ん中より見上げたベッドの上で白と茶色の猫が丸くなりあくびをしている。 「この間の猫だ!」 早速、ソラが猫に駆け寄る。 恭一と出会ったきっかけでもある、恭一とソラが協力して助け出した猫だ。 「ほんとだ、だいぶ大きくなってる」 嬉しそうに微笑んでしゃがみ、ソラが顎を撫でてあげるとゴロゴロと鳴く。 「この子が例の猫?」 「何度か恭一さんち来たのに気づかなかった」 リクとカイも頭を撫でたり、背中を摩ったり。 「恥ずかしがりなのか人が来ると隠れちゃうんだよ。それにとてもおとなしい子だから」 恭一が説明すると、同時にリクとカイはソラを見た。 「な、なに?」 「ソラみたいだね」 「ソラみたいだな」 「...僕みたい、て、なに?」 きょとんとするソラに、リクとカイ、恭一は同時に吹き出した。 「多分、お腹空いたんだろうな、ご飯やらないと」 と、恭一がボクサーを拾って履き、立ち上がると、待ってました、と言わんばかりにソラによく似た子猫もベッドから駆け下りた。

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