41 / 77
第50話
「何がいい?」
「んー...かき氷、苺の」
「おじちゃーん、かき氷、苺の!練乳も!」
「え、高くなるし、いいよ」
「いいって、サービス!」
2人は木で出来たテーブルを挟み座りながら食べました。
「かき氷だけでよかった?」
「うん」
「1人で来てるの?」
「ううん、家族と」
しばらく話してわかったが、少年は大輝、両親と妹とで海に来たらしい。
同じく高3。
偶然にも同じ高校ではなかったが、カイたちの通う高校と近い距離にある学校だった。
「...それより、大丈夫?痛くないの?」
「なにが?」
イカ焼きに齧りつきながらカイが尋ねます。
大輝の視線を追うと、自分の白い肩が真っ赤になっていました。
「ヤバい!日焼け止め塗るの忘れてた!」
「今は痛くはないの?」
「言われるまで気づかなかった、はしゃいでたからかな」
恨めしそうに自分の肩を睨みます。
「今日はもう泳がずにゆっくりしてた方がいいんじゃない?」
「えー!もう?やだよ」
ぶすくれるカイに大輝は困った顔です。
「だったら日焼け止め塗らないとね、遅いかもだけど」
食べ終わると、カイと大輝は歩き始め、レジャーシートに向かうと、恭一は仰向けの顔にタオルを置き、ぐっすり眠っています。
「...ご臨終みたい」
カイが言うと、
「不謹慎だよ」
少し笑った大輝に咎められました。
ともだちにシェアしよう!