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第50話

「何がいい?」 「んー...かき氷、苺の」 「おじちゃーん、かき氷、苺の!練乳も!」 「え、高くなるし、いいよ」 「いいって、サービス!」 2人は木で出来たテーブルを挟み座りながら食べました。 「かき氷だけでよかった?」 「うん」 「1人で来てるの?」 「ううん、家族と」 しばらく話してわかったが、少年は大輝、両親と妹とで海に来たらしい。 同じく高3。 偶然にも同じ高校ではなかったが、カイたちの通う高校と近い距離にある学校だった。 「...それより、大丈夫?痛くないの?」 「なにが?」 イカ焼きに齧りつきながらカイが尋ねます。 大輝の視線を追うと、自分の白い肩が真っ赤になっていました。 「ヤバい!日焼け止め塗るの忘れてた!」 「今は痛くはないの?」 「言われるまで気づかなかった、はしゃいでたからかな」 恨めしそうに自分の肩を睨みます。 「今日はもう泳がずにゆっくりしてた方がいいんじゃない?」 「えー!もう?やだよ」 ぶすくれるカイに大輝は困った顔です。 「だったら日焼け止め塗らないとね、遅いかもだけど」 食べ終わると、カイと大輝は歩き始め、レジャーシートに向かうと、恭一は仰向けの顔にタオルを置き、ぐっすり眠っています。 「...ご臨終みたい」 カイが言うと、 「不謹慎だよ」 少し笑った大輝に咎められました。

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