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第51話
ぐっすり眠っている恭一から少し離れた位置にカイと大輝は並んで座りました。
日焼け止めを塗ったその瞬間、
「痛っ!」
カイは真っ赤になった色白な肌の激痛に顔を歪めます。
「ほらね」
大輝はそう言うと、
「ちょっと待ってて?」
また大輝が何処かに走っていき、しばらくして戻ってきました。
手には軟膏です。
「妹のパクってきた」
「パクってきた、て...」
「いいの、あいつ、元々、色黒だし」
そう言うと大輝が軟膏を指に取り、カイの赤くなった肌に塗り始めます。
「痛!」
「優しくするからちょっと我慢して」
大輝の優しい口調にドキッとしました。
なんだか、セックスのときのセリフみたいだな....。
「あれ?顔や耳も赤い...背中塗り終わったら塗ってあげる」
「い、いいよ、大丈夫」
丁寧な大輝の指先が背中を辿っていきます。
軟膏を塗られているだけなのに...と、何故か、ドキドキしているカイがいます。
かなりの時間を費やし、はい、とカイに小さな軟膏のチューブが手渡されました。
「さ、サンキュ」
「うん。手の届く範囲は自分でね。じゃあね」
そう笑顔で大輝は立ち上がり、海パン姿で去っていきました。
少し離れた位置で眠っている恭一が起きるまでにはまだしばらく時間がかかりそうです。
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