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第57話

同じ頃。 既に2人とはぐれた事に気づいていたリクは瞬と出店を見て周りました。 リクは偶然か必然か、2人も食べている、りんご飴を選び、瞬はたこ焼き。 ふと、反対から歩く人波とぶつかり、瞬の手にしていたたこ焼きが落ちてしまいました。リクの薄いグレーの浴衣がたこ焼きで汚れてしまい、リクは呆然です。 「どうしよう...高校最後だから、て奮発してくれたのに....」 ソースで浴衣の前が汚れ、リクが切ない表情です。 その顔を見ながら、ふと瞬が閃きました。 「母親の染み抜きシートが家にあるから、急いで落とせばなんとかなるかも!」 瞬のアドバイスに、リクは人だかりのある神社を離れ、瞬と一緒に瞬の家へと向かいました。 よく勉強をしたり、漫画を読んだりと来なれている、瞬の家。 「あら、いらっしゃい、リクくん。浴衣姿が様になってるわね」 お母さんが笑顔で出迎えてくれます。 「ありがとうございます」 「母さん、ちょっと」 瞬は事情を話し、お母さんの元へ向かいます。 「それは大変!」 瞬に染み抜きシートとお湯で濡らしたタオルが手渡され、2人は2階へと上がっていきました。

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