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第56話
カイの浴衣を引っ張って歩くソラはりんご飴の屋台の前で足を止めました。
「食べたい!」
真っ赤な可愛いりんご飴を指差します。
3人ぶん貰おうか、と話していたら、カイとソラに気づいた、出店のおじちゃんが、
「2つでいいのかい?」
と、笑顔を見せ、2人はようやく、後ろを歩いていたリクとはぐれていた事に気づきました。
「案外、はぐれたんじゃなくて、抜け出したんだったりして」
りんご飴を齧りながらカイが言います。
「そんな訳ない。リクが僕達を置いてく訳ないもん」
りんご飴を舐めながらソラ。
「てか、気づいた?あいつ、瞬。すぐにリクを見分けた」
「どういう事?」
「俺たち3人をすぐに見分けるやつ、そう居ないじゃん」
確かに、とソラも気づきました。
いつの間にか、瞬は同じ顔で同じルックスの3つ子のリクを見分ける事が出来ていたのです。
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