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プロローグ

「ごめんなさい」 大粒の涙を溢す目が、キラキラ光って眩しくて余計にイライラした。 「1人にしないで」 俺たちはまだ小さくて、何も分からないような歳だった。 6人いる幼馴染みの中で格段に家が近く、別段特別仲が良かった訳でもない。 それでも、この緑色の瞳に反射するのはあの馬鹿の顔ばかりだった。 「分かった」 本当は少し嫌いだ。 俺の外見をバカにしてくるところも、クラスで偉そうにしているところも、勝手にゲーム取るところも、全部。 「俺が、ユキのこと1人にしない」 大泣きするアイツを見捨てれば良かった。 ゲラゲラ笑って馬鹿に仕返して、置いていけば良かった。 本当に、少し嫌いだったから。

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