ゲームのストーリーは確か、このきらめきヶ丘高等学園の伝説の展望台で卒業式の日に告白を成功させる恋愛シュミレーション。主人公は攻略対象に合わせてステータスをこの三年で向上させていく。その為に、クラスメイトから攻略対象の情報を一日一回聞くことができんだけど、この情報が、意外とえぐい。プライバシーってなんだろ？って感じの事まで好感度の状態でわかってしまう。 ってことは、オレは攻略対象のキャラの好感度や、主人公が上手くいく様にアドバイスをすればいいのか・・・だから、ゲーム内では新聞部だったのか。 「肝心の朝比奈は誰狙いで、行くんだろ？」 ゲーム自体は、高校3年の卒業で終わるけど、エンドロールではその後の話にも触れてた・・・どうせなら、朝比奈が上手くいく様にオレはアシストしてあげたい。恋愛物のバットエンドは告白して振られる事だけど、ノーマルエンドはちょっと面白くない。告白もしないで、毎日情報だけ聞いてイベントスチルは、友人と出かけてるシーンだけ。平凡すぎる！！ どうせなら、青桐との絡みが見たい！！オレの推し様があんなことやこんなことをしてるのが見たい！！全年齢対象だったから、スチルにはなかったけど、それがまた妄想を膨らませられる感じで、ねぇちゃんの創作意欲が夏、冬には薄い本になって形になってた！こっそり、盗み見したら相当凄い事になってた。それが、この世界では陰から生で見ることができるかも知れない！！ なによりあの、顔、声を生で！！そうだよ！折角、今日助けてもらったし、友達の恋愛は応援してあげよう♪ そんな妄想に一人心躍らせてノートに書き留めていった。 「入学式が楽しみだ！」 そして、思いだせる限りのキャラクター情報（腐った妄想も）書いたノートは鍵の掛かる机の引き出しにしまい、荷解き途中の段ボールから翼は片づけ始めた。