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あわあわ
「結構、良い時間になってるな。」
「ホントだ!!翼君ごめんね、こんな時間までお邪魔しちゃって」
「うちは、オレ一人だから別に構わないけど・・・」
この状況はなんだ??
今度は、朝比奈と黄瀬、オレの三人でキッチンで食器を洗う→拭く→しまうの流れ作業に・・・。
「なんか、後片付けまでして貰って悪いな・・・。」
「いや、晩飯までゴチになったんだから、これぐらいはやらせろよ!」
「そーだよ。遠慮しないで!」
「なら、俺も手伝うが・・・」
「「相馬は何もしない!!」」
「「・・・。」」
どうやら、相馬がさっき手伝って居た事に張り合っての行動らしい。
「まぁ、今度は休み前とかのが良いかもな。時間気にしないで良いし、そのまま泊っていけばいいし!」
最後の一枚を棚に戻しながら、何気なく言っただけの言葉に三人は固まった。
「「「!!」」」
え?何その顔?? こっちの世界じゃ、友人宅に泊まる事とかしないのか??!ゲームの設定も転生前の社会とそんなに変わりはなかったはずなんだけど・・・。それとも、そこまでの友人とは思われていないとか・・・!!!?
「あー、迷惑だったら別に・・・」
「迷惑なんてとんでもないよ!!翼君の方が迷惑じゃない?」
「むしろ、毎週でも遊びに来たいし!」
「いや、それはちょっと迷惑。」
朝比奈と黄瀬の反応に内心ほっとした。
もしかしたら、サポートキャラとしての存在価値しか自分にはないのかも知れないという事に、ふと思い立ってしまったのだ。
自分にとってはここはゲームの世界ではあるけど、ここで生きているし、主人公、攻略キャラだと思ってはいるけど自分にとっては新しく出来た大事な友人達。 でも、彼らは自分の事をゲームの進行上必要なキャラクターとしてプログラミングされていたりするのかな・・・。
思考が若干暗くなりそうになった翼に、今まで黙っていた男が囁いた。
「今度は、泊りに来る」
っぐはっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
な、なんだ!?何が起きた!?
なぜ、毎回、相馬は耳元で囁くんだ!! いや、本当ご馳走様です!!
落ち込みかけていた思考が、イケボによって吹っ飛んだ・・・
本当、推しは心を救う。
今日は、寝る前に拝んでおこう!
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