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伊達に・・・(部長視点)
僕が、この公園に張り込んで早一週間。そもそも、僕は記事を書く側で有って外回りするタイプじゃないんだけどなぁ・・・。
最近、この辺りに変質者が出没する様になり、学園の生徒も何名か茂みに連れ込まれて悪戯されたりと被害に・・・。その周期が段々と狭くなっている事と次の事件発生予測がこの辺りになるとの事から、我が新聞部に生徒会から協力依頼が来たのだが・・・。 ってか、それ警察の仕事だと思うんだけどなぁ・・・。
まぁ・・・断ったら僕の首が物理的に飛んじゃうかぁ・・・。
なんて、物騒な考えが過った所に、もう一人張り込み依頼のターゲットがやってきた。
「ありゃ・・・、あれは・・・いかんな・・・」
遠目では解らないだろうけど、今 僕には超高画質デジタル一眼がある!!
この依頼を受けるに当って、必要経費と渡されたのだが・・・。
これは、なんとまぁ。。。
蒸気した顔はほんのりとい色づいて、呼吸も上がっている。その白いTシャツは汗で張り付いて、細やかながら自己主張し始めてる粒が二つ・・・
まだ、体が慣れてないのか筋肉が少し痙攣している太腿の白さが公園のライトに浮かんでいた。
あー、だよね。そうなるよね。 一緒にいる男の顔は何とも言えない表情になっていた。僕は、その一部始終をカメラに納めながらその男に同情していた。
あんなの見せられても、少しでも反応しようものなら次の日にはどうなっている事やら・・・。だって、僕がその写真を提出するしね。
ってか、そもそも僕たちこんな事させなくても、あいつならなんとか出来るだろ!!まったく!!権力振りかざしやがって・・・
まぁ、可愛い後輩が変質者の被害から守れるのなら、守ってあげたいし。僕が、断ったら田貫君が駆り出されてしまうしね・・・。色々と自分に言い訳をしながら、あの日以降、薄手の上着を帰りには羽織る様になった位の変化しか起きないまま、一週間経った頃・・・
ついに、待ちに待った瞬間が来た!
ホントもうね。さっさと現れろよ、この糞野郎が!!!!!!!!!!!!!
予測していた日より少しずれて、この糞野郎は現れた。
しかも、なんで僕がこんな格好で囮にならなきゃいけないんだよ。
普段より少し明るい目の茶色のウィッグ。普段なら絶対着ない様な、セーラーカラーの上着に短いパンツに黒ハイソックス。
どこから仕入れたのか、糞野郎の好みだそうだ・・・。
ホント、そういう情報あるならあの人、自分で出来るでしょ?なんでやらないかなぁ・・・・って、まぁ解ってるけど。はぁ・・・。
目の前には、気絶している下半身がとてもフリーダムな中年男性が一人。
顔面には、赤く丸い跡がくっきりとついて、鼻の骨が折れてるのか・・・鼻が少し曲がって鼻血を出していた。
依頼された時に居た、もう一人の協力者には今回の張り込みにと、通常よりも硬度があるボールと威力増強装置の付いたシューズが支給されていたのを見た時はこんなのでどうするんだろうと思ったが・・・、実際に見ると威力がヤバイな・・・。
そのあとは、ご依頼者様の望む通りに処理され。有難い事に僕の写真と記事が翌朝の朝刊、TVニュースとなっていた・・・。
「部長!! 今朝のニュース見ました! スクープおめでとうございます!! 凄いです!! 」
ニコニコ顔で何も知らない田貫は、木津根にコーヒーを渡す。
複雑な顔をしながら、コーヒーを受け取るが彼が嬉しそうならそれでも良いかとも思った。
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