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とりあえず・・・ (咲紀視点)
明日はとりあえず、お赤飯にしよう・・・。
それに、ここにいる間に私のするべき事をしないと・・・。
ふぅ・・・
お風呂から出ると、リビングで翼がくつろいでいた。
いつもは、部屋に戻ってしまうのだが今日は咲紀がいるからなのか、自室に戻らないでリビングでテレビを見てい・・・・たらしいが、そのまま寝落ちしてしまったらしい。
「おにぃ。風邪ひくよ~。」
「んん・・・わかった・・・。 咲紀お休み。」
ソファーで寝てしまってた翼の身体を揺すって起こすと、目を擦りながら部屋に戻っていった。その後ろ姿が、弟の姿と重なって見えた・・・。
「・・・、おにぃ。・・・お休み。」
やっぱり・・・。おにぃは、誠なのかな?
使うはずだった部屋で一人布団の中で考えてしまう。
私の様に、誠も転生した?
それとも、私が、誠に対して後悔している気持ちがあるから?あの日、あの時に私が頼み事をしなければ、誠は大学生になってきっと彼女を作って・・・
誠の歩むはずだった未来を私が頼んだ事で奪ってしまった。
それも、大した事でも無い用事で・・・。あんなの一日遅れようが構わなかったのに・・・。
けれど・・・、もし・・・
誠だったら・・・? 誠が、私のせいで死んでしまった事を恨んでいたら・・・。折角、今また兄妹として仲良くしているのに・・・。
「それは嫌だ・・・。」
誠から、話してくれるまで私は何も言わないでおこう。
今度こそ、誠の幸せの為に・・・。
いつの間にか眠りについていた。
その日の夢は、翼と一緒に小さい時遊んだ夢だった。
海からの風で、私のかぶっていた帽子が飛ばされてしまった。
そのまま木に引っかかってしまったのをその時いた子達が一緒になって取ってくれた。 それから、何回かその子達と翼は遊んでたっぽいけど・・・・・・・。
誰だった・・・っけ? あれ・・・
「・・・なんか、懐かしい夢をみたきがする・・・。」
部屋を出ると、パンの焼けるいい匂いがした。
「おはよ。半熟で良かったよな?」
洗面所へ向かうと、おにぃがキッチンで朝食の用意をしてくれていた。
やっぱり、おにぃが誠でも翼でも・・・
この関係は壊したくない・・・。
思わず、うしろから抱き着く。
「おにぃ、大好き!」
「お?? ・・・なんだ、朝食くらいで? おい、卵焦げるって・・・。
ほら、早く顔洗って来いよ。」
頭をひとなでして、洗面所へ追いやられた・・・
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