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急展開?!
あの手繋ぎ下校(と言っても、門までの数メートル)から、朝生徒会室で勉強を教わった後や、下校が被った時に手を繋がれる事が増えた。その事に関しては嫌では無い。むしろ、何回繋がれてもオレの心臓が慣れてくれる事は無さそうだった。
今日も、生徒会室で朝勉強を見て貰ったあと、いつもの様に手を繋がれた。教室迄行く途中、相馬が生徒会室に忘れ物を取りに戻った所を狙ったかのように、朝日奈が廊下の角から出て来た。
「み~ちゃった!!」
「!! ハル!!」
「いや~、あの相馬がねぇ~。」
あ、朝比奈に見られた・・・!! どうしよう・・・もし、朝日奈が相馬を・・・。
一気に顔から血の気が引いていく。
「え!? ちょっと、翼君!? 顔色悪いよ?!」
「ご、ごめん・・・。オレ・・・。」
「ちょっ?! ええ!?」
そのまま目の前が暗くなってしまう。
ご、ごめん・・・。
『誠~! やっぱさ、恋愛ゲームにおいての勝者はさ、ハーレムを気づいたものだと思うんだけど? 誠はどう思う??』
おねぇが、お気に入りのゲームをしながら聞いてきた。
その隣に、カフェオレのカップを持って座る。
『え?! それって尻軽じゃ・・・。』
『だって、ゲームだよ??』
片手で、カップを受け取りもう片方の手に持ってるコントローラーで、画面の好感度の上がる選択肢を手際良く選んでいく。
それを横目に、カップに口を付けた。
『それでも・・・僕は、一途にいて欲しい』
『いや、ゲームだし。』
・・・って、確かにあんたはゲームでも相馬様しか落としてなかったなか。
『そしたら、もし好きな相手が被ったら誠はどうする??』
『え・・・、それは・・・』
つ・・ばさ!・・・翼!
「・・・え・・あ・・ハル?」
「もう!! びっくりしたんだからね!!!」
あれ?? 気が付いたら、保健室のベットの上だった。
ベットの横で、朝日奈が座っていた。
目の前で倒れたオレを、どうやら連れてきてくれたらしく、ずっと側に着いていてくれた。
「あれ・・・オレ・・?」
「もう!いきなり目の前で倒れるからびっくりしたんだけど!!!」
「!!」
じゃぁ・・・さっきのは・・・。前の記憶。
「・・・大丈夫?? 前も・・・急に目の前で倒れたよね・・・。」
「え・・・ああ。」
「なにか・・・病気とか・・・」
「え?! ああ、それは大丈夫!ちょっと、貧血・・・」
「・・・そっか・・・、それなら良かった。」
ベットの隣に座ってる朝比奈が心からホッとしたようだった。
「・・・ハル?」
「いや・・・その・・・ほら・・・」
急に言いにくそう朝比奈が下を向いた。少し、考えた後、意を決した様に朝比奈が耳打ちしてきた。
「もう、相馬とした??」
「・・・へ?」
思わず、耳打ちされた方へ振り向く。
「うわ!」
至近距離の朝比奈の顔!イケメン!!!!!!!!!って!!ええ????
な、なんて今、朝日奈は言った???ええええ???
「何を?? え??ええ??」
「あぁ・・・ごめ!!あの、その・・・」
翼の態度を見て、余計な事を聞いてしまったと慌てる朝比奈。
朝日奈に聞かれて内容に動転して、慌てる翼。二人してわちゃわちゃしてしまってる所に、相馬が慌てて入ってきた。
「つ、翼?! 大丈夫か?」
「あ、相馬! こっち、翼君起きてるよ~。」
カーテンを開けて、朝日奈は相馬を呼んだ。
「ハルに、メール貰って・・・。」
「え、ああ。ちょっと貧血・・・かな?」
「・・・また、かなって。 お前、自分の身体なんだからさ・・・」
オデコに手を当てられ、熱を確かめられる。
ええ??!朝比奈が見てるんですけど!? 顔に一気に熱が・・・。
って!!朝比奈カーテン閉めないで!!どこ行こうとしてんだよ!!!!!
「も、もう!大丈夫だから!! 教室行こう!!」
ベットから飛び起きようとして、体制を崩してしまう。
そのまま、相馬の腕に抱き留められる羽目になってしまった。
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