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ガッチリ
ふぅ・・・。
あとは参考書でも買って帰るかな・・・。
中庭のカフェテリアを抜けて、エントランスまで行こうと歩いていくと、見覚えのある姿をカフェ内で見かけた。
・・・アレ、朝比奈?? 隣のおじさん誰だろ・・・?
♪♪♪
「あ、相馬?? うん。 わかった。」
急いで、駅まで向かう間にさっき朝比奈と一緒に居た人の事は忘れてしまった。
・・・なんとか、相馬より先に駅に着いたかな?
待ち合わせの本屋で、相馬の姿を探しながらついでに参考書の棚へ向かう・・
「あ、相馬! ここに居たんだ!」
「お帰り、翼。咲紀ちゃんとランチ・・・楽しかった?」
「ただいま・・・って、ここ本屋だけどな!! 」
「・・・そうだね。うち帰ろうか?」
「あ!! 欲しい本あるから、選んでからでもいいか?」
「ああ、オレもコレ欲しいし・・・。翼は、参考書?」
「え・・・うん。」
アレ・・・・なんか、機嫌悪い?
参考書のコーナーに行く前に、手に持っていた本を思わず隠してしまった。
あ・・・
目に止まった雑誌を思わず手に取ってしまう。
これ、いいな。
相馬もこれで、機嫌直してくれないかなぁ。
ー スタミナヘルシー料理特集!!男心も胃袋もガッチリ掴む10選★ ー
「お帰りなさいませ。相馬様、佐々木様。お風呂の用意もできてますけど・・・」
「あ、ただいま戻りました! あの・・・田中さん」
「はい、なんでしょう?」
「相馬、先にお風呂入ってよ。」
「え? あ・・・うん・・・分かった。」
相馬が部屋へ入っていくのを確認したのを見届けてから、翼は買って来た本を田中に見せた。
「あ、あの・・・これ。オレ作りたくて・・・。」
「・・・がっちり・・・。うん、構いませんよ。そうですね・・・。」
雑誌をパラパラと確認して、にっこりと微笑む。
「これなら・・・相馬様が出て来るまでに作れそうですね。」
・・・・・・・・・・・・・・・
「あ、相馬。丁度いいタイミング!」
「え・・・、翼、何してるの?」
「田中さんと、晩飯作ってたんだ!! 咲紀に太ったって言われたし・・・」
「そう? 翼はもう少し太ってもいいんじゃないか?」
エプロンの上から腰元を触られる。
ひょえっつ?!
目の前に、濡れた髪の相馬が・・・!!
しかも良い匂いするぅぅ・・・・
ああ、顔が良い!! 相馬の目って、キラキラしてる青が綺麗だよなぁ・・・
コホン
は!!!! ここは、ダイニング!!
しかも、側には・・・はい!!!田中さん!!!!!!!!!!
「そ、相馬! 冷める前に食べよう!!?」
「ああ・・・。食べようか。」
「では、今 お茶を入れますね。」
は、恥ずかしぃ・・・。田中さんに見られてたぁぁぁ・・・。
けど、やっぱ相馬の顔が良すぎるのがいけない!!
ってか、恥ずかしい。ほんと、恥ずかしい・・・。
絶対、今顔赤い!!
手で顔を仰いでる姿を見て、相馬が小さく笑った気がした
「あ、うまい。」
「本当! 良かった〜。」
「ええ、佐々木様の手際も良くて助かりました。」
「本当ですか!!そしたら、明日も手伝っても良いですか!?」
「ええ、こちらこそ・・よろしくお願いします。」
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