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※満月⑦
「可愛いね、鈴……」
いつもよりも切羽詰まった表情でそう言った朔月は、鈴真の前をいじりながら彼の身体をベッドに押し倒した。鈴真のものはすでに先走りでしっとりと濡れていて、朔月の手に刺激される度に声が漏れてしまいそうになる。
鈴真が声を我慢していることに気付いた朔月は、鈴真の唇を指先でこじ開けて口内を探るように動かした。
「声、聴かせてよ。気持ちいいんでしょ?」
「ん、い、やだ……っ」
わずかに残った理性が勝り、鈴真は首を横に振って拒んだ。
寮の壁は薄いのだ。声なんて出したら隣に聴こえてしまう。
「じゃあ、我慢できないようにしてあげる」
朔月はそう言うと、鈴真の胸の尖りを口に含み、いやらしい音とともに強く吸い上げた。その瞬間、電流が走ったみたいに下腹部が甘く疼き出す。
「あ、や、やだ……っ! それ、駄目……っ」
朔月の髪を掴んでやめさせようとするが、指に上手く力が入らない。
朔月は口の中の尖りを舌で押し潰し、その間も慣れた手つきで鈴真の性器を擦り上げる。
朔月にここをいじられるのは初めてではないのに、今日はやけに丁寧に触れてくるから、まるで自分が大切にされているような錯覚を覚える。
抑えきれない喘ぎ声が部屋中に響き渡り、鈴真はそんな自分の声を聴きたくなくて、朔月に触れられている感触に意識を集中させた。
「んっ、あっ……はぁ、朔月……っ」
あまりの気持ちよさに、自然と腰が動いてしまう。あともう少しで達しそうだと思った時、不意に朔月の手が鈴真のものを手放した。
「やっ……なんで……!」
鈴真が抗議の声を上げると、朔月はベッド脇の戸棚から謎のボトルを取り出し、どろっとした液体を手のひらに出す。そして、あろうことかそれを鈴真の後孔に塗りこんだ。
「ひぁっ!?」
突然の冷たい感触に驚いた鈴真は、朔月が何をしようとしているのか察して一気に青ざめた。
「いやだ、やめ……っ、うぅっ!」
とろみのある液体で窄まりを濡らすと、朔月はそこに指を挿れてきた。ゆっくりと慎重に窄まりが押し広げられ、やがて根元まで入った指が中を掻き回す。
「うぁっ……! やだ……っ、朔月……!」
「大丈夫だよ。痛くしないから」
朔月は、未知の感覚への恐怖に喘ぐ鈴真を安心させるように、彼のむき出しの太腿を撫でた。そして、鈴真の後孔に埋めた指で中を擦ったり、抜き差ししたりして、次第に鈴真の身体を慣らしていく。
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