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5話
そしてまたコンビニで出会す。
「弥生サン、ちょいちょいパスタ買ってるの見るわ。好きなの?」
「うん。食べるの楽だし味も色々あるからね」
好きな理由の雑さが可笑しくて真矢は笑った。
「向こうに美味しいパスタ屋さんがあってね。時々行くんだよ。」
マヤくん知ってる?と弥生は繁華街をぬけた方を指す。
「へー。連れてってくださいよ」
流れで口にした言葉で自覚する、弥生のことをもっと知りたいという自分の本音。
弥生はやや驚いてから、微笑んだ。
「…いいよ。」
「え、いいの」
「うん。連絡先、教えてよ。」
「お次のお客様どうぞー」
自覚をすると、こんな会話にも少し高鳴る。二ヶ月前は窓枠の中の人だった弥生。ひょんな出会いとはいえは食事に行くほど、そして自らそれを提案するほど、弥生に興味を引かれつつあることに、真矢は内心驚いていた。
レジに呼ばれて会計が終わるまでの間平然を装う。誰かのことをもっと知りたいと願う感覚は、真矢の人生にはそう多くはない事象だった。
それぞれ会計を終えてコンビニの前。メッセージアプリで連絡先を交換する。
「弥生さんのプロフィール画像、かっこいい。美容師さん、って感じ」
「なんか恥ずいな」
真矢は、美容師としての弥生は知らないなと頭の片隅で考えた。
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