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第4-2話数日かけた愛撫

「アッ……そこ、は……っ……ぁ……」 「ここも弱いのか? 前はこうやっても身じろぎすらしなかったのに」  詠士が体を横たえた私の背後から、チュッと肩へキスをする。  ついさっき甘くかじられ、身悶えてしまった所と同じ個所。再び与えられた刺激に体が激しく疼き、力が入らぬ手でシーツを掴み、延々と体の底へ流れる快感に喘いでしまう。  耳の後ろ、うなじ、肩口、と気まぐれに詠士が唇と舌先で戯れてくれば、鎮まっていない疼きがさらにざわつき、私を簡単に追い詰めてくる。「ウゥー……」と高い声と息で唸り続ける私へ、詠士は容赦などしてくれない。  いっそ激しく抱いてくれたなら、どれだけ良いだろうか。  求めたくてたまらないのに、詠士は言ったことを守り続ける。  背後に当たる詠士の熱い昂りは、すぐにでも私と繋がりたがっているのに。  ゆっくりと私を隅々まで愛撫して、体を敏感にさせ、欲しくてたまらないという本能を掻き立てるばかり。  耐え切れず私は体を回して詠士と寝ながら向き合う形を取る。  何か言おうと動きかけた詠士の唇を、私は勢いよく奪った。  恥ずかしいとか、自分から淫らに求めるなんて、とか考えてなどいられない。  とにかく詠士を愛したくてたまらない。

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