85 / 111
第4-2話数日かけた愛撫
「アッ……そこ、は……っ……ぁ……」
「ここも弱いのか? 前はこうやっても身じろぎすらしなかったのに」
詠士が体を横たえた私の背後から、チュッと肩へキスをする。
ついさっき甘くかじられ、身悶えてしまった所と同じ個所。再び与えられた刺激に体が激しく疼き、力が入らぬ手でシーツを掴み、延々と体の底へ流れる快感に喘いでしまう。
耳の後ろ、うなじ、肩口、と気まぐれに詠士が唇と舌先で戯れてくれば、鎮まっていない疼きがさらにざわつき、私を簡単に追い詰めてくる。「ウゥー……」と高い声と息で唸り続ける私へ、詠士は容赦などしてくれない。
いっそ激しく抱いてくれたなら、どれだけ良いだろうか。
求めたくてたまらないのに、詠士は言ったことを守り続ける。
背後に当たる詠士の熱い昂りは、すぐにでも私と繋がりたがっているのに。
ゆっくりと私を隅々まで愛撫して、体を敏感にさせ、欲しくてたまらないという本能を掻き立てるばかり。
耐え切れず私は体を回して詠士と寝ながら向き合う形を取る。
何か言おうと動きかけた詠士の唇を、私は勢いよく奪った。
恥ずかしいとか、自分から淫らに求めるなんて、とか考えてなどいられない。
とにかく詠士を愛したくてたまらない。
ともだちにシェアしよう!