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第4-4話数日かけた愛撫
もう楽にして欲しいと懇願したい衝動が込み上げてくるのに、いつまでもこうしていたいと望む思いも増していく。
言葉に出すことすらまどろっこしくて、私は詠士に体を擦り寄せながら、手を下のほうへと伸ばす。
詠士の切望が詰まったそこへ指先が触れる。
なんて熱い……少し握り込んだだけでも弾け、溢れてしまいそうだ。
その熱を取りこぼしたくない。
すべて私の中へ――。
念入りなキスを重ねた後、詠士に目を合わせて誘いかける。
今までなら喜んで私へ応えてくれるのに。
こごまできても詠士は私の誘いを流し、深く抱擁するばかりだ。
このまま体のざわつきが落ち着くまで、抱き締められるのだろうか?
また焦らされて、次の触れ合いまで詠士に待ち焦がれることになるのか。
前よりも今のほうが、詠士のことで頭がいっぱいだ。愛おしすぎて頭がおかしくなる。
甘く火照った息をついた私の耳元で、詠士が甘く囁く。
「真太郎……明日、最後までするから。もう少し我慢してくれ……いい子だから」
子供をあやすように頭を撫でられ、その扱いと感触だけでもビクビクと体が震え、感じ入ってしまう。
恥も常識も気にならなくなってしまった私は、幼子に帰ったように小さく頷く。
そのまま目を閉じ、詠士を全身で深く感じていった。
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