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【1997/11 by near death】

《第四週 火曜日》 今日は何月何日なんだろう。 今日はなんだか酷く寒い。掛けているものを増やしたいけど掛け直す体力がない。 最近はもう寝返りもうててないのか、あちこち痛い。 息をするのも苦しい。気道から変な音がしている。 風邪ひいちゃったのかな、寒いんじゃなくて寒気がしてるのかも。 寝てるだけでも体がつらくて目が覚める。 目が覚めている間、楽しかったことばかり思い出す。 走馬灯ってやつなのかも。 お父さんと釣りに行ったとき、小さいけど今まで見たことがない魚がたくさん獲れたこと。 お母さんと料理番組を真似て見様見真似で一緒にお菓子を作って失敗して大笑いしたこと。 病院帰りにお母さんには内緒でお父さんとファストフードを食べに行ったらあっさりバレたこと。 ほくは友達は居なかったけど、毎日楽しかった。幸せだったと思う。 でも、憶えているぼくがいなくなってしまえば、全部無かったことになる。悲しい。 何でこんな事になっちゃったんだろう。 ぼくはこの世界に歓迎されてなかったのかな。 だったらもう目が覚めなくてもいいのに。 死んだら人がどうなるのかは興味があるし。 死んで全部なくなっちゃうならそのほうがいい。 終わった後も全部憶えていたら、つらくて気が狂ってしまう。 悲しいのも、つらいのも、死ねば無くなるなら、それは救いだと思う。 もう、全部、何もかも、なくなっちゃえばいい。 あと何日かかるんだろう。 早く終わらないかな。

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