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【1993/12 Can you kill me】③ (*)(◆)

何かの蓋を捻って開ける音がして、脚元に何かが滴る気配と、どこかで嗅いだことがあるような香りがしてくる。 「安心しなさい、オリーブ油にクローブ油を合わせたものだ、害はない」 そう言うと、尻の割れ目を開き、油をたっぷりと馴染ませた指を後孔に這わせた。最初は縦にへこんだクレバスをなぞり、徐々に蕾に指を埋めていき、手をゆっくり返し辺縁部をぐるりと、襞の感触を愉しみながら解していく。存外に丁寧な愛撫に、挿入行為に慣れたそこは容易く開き始める。2本目の指が差し入れられると、更に内容液が漏れて足元に音を立てて零れ落ちた。 「やだ、出ちゃう、やめてくださ…あ…っ」 「だめだよ玲、そんなこと言ってもお前、ちゃんと反応してるじゃないか。興奮してるのはバレてんだよ」 そう、零れ落ちているのは内容液だけではない。震える花芯からも先走りが止めどなく溢れ、期待で張り詰めている。 「口を開いて息を吐いて、力を抜きなさい」 2本の指が、中でゆっくりと拡げられていく。小さく空気が流れ込む音がして一気に容赦なく内容液が溢れ出る。 「そのまま中の物を全部出せ、これは命令だ」 手を返して縦に横にと繰り返し指を拡げられるうち内容物が徐々に出口まで下りてきて、否応なくそれが腹圧で押し出される。重みと熱感のある塊がまろび出て落ち、脚の間に転がる。次のものを送り出す為ひくひくと蠢く秘部を視られている気配も感じる。羞恥と、体から余計なものが吐き出されている快楽で首筋から頬が熱い。 「まだ出るだろう?ちゃんと出し切りなさい」 両手で尻の肉を割り、その親指で出口の脇をを押し開かれ、堪えきれず再びいくつもの塊が滑り落ちる。空気が再び入り中に残留していた内容液が音を立てて溢れ出ていく。液体の滴りが止まったところで、直人さんは指を挿し入れて残っているものがないことを確かめた。 「いい子だ、ちゃんとできるじゃないか」 背後からおれを抱きしめて肩や首筋、頬とこめかみにキスをして、首筋から項にかけて舌を這わせながら堪え性のない花芯を剥き、その先端に固い指先を擦り付けた。内腿が不随意に振れて声が漏れる。 「かわいいなお前は、甚振り甲斐がある」 後ろに手を伸ばし、ウエットシートのパックを取ってベッドに置き、何枚か引き抜いて俺の下半身の汚れた部分を丁寧に清拭する。脚の間に棒状の拘束具を外してペットシーツから下りて、片付けている間ベッドの空きスペースで横になって待つよう指示された。淡々と慣れた様子でユニットバスに運び中身を便器に流し、汚れた面を内側に畳んで巻いて、黒い防臭加工してある袋に捨てて口を縛って閉じてから持参したと思しきポリ袋に捨てていた。 洗ってきた手の水気をタオルで取り、消毒用のアルコールを馴染ませてから次の準備をしている。こちらに背を向けておりテーブルの上で何をしているのかは見えない。暫くすると、透明の液体に満たされた小さめのビーカーに白いものが浸されているのを見せられた。 「ちゃんとできたご褒美に、いいことしてやるよ」 服を脱いでからビーカーを手にベッドに上がって、仰向けに寝ているおれの脚の間に割って入ると、ビーカーからとろみのある液体に包まれた白いものを摘み、丁寧に拡げてから再び液体に一旦浸し直す。十分に液体を含んだそれを、潤いを損なわぬよう軽く指に巻いた。昂りが収まりかかってた花芯を探り、先端を剥いて白いものを巻きつけた指で擦る。これまで味わったことがないざらついた感触に刺激されて再び張り詰め始める。触れられてやっとわかった、ローションに浸したガーゼだ。 手を伸ばして抵抗しようとすると、直人さんはガーゼを一旦ビーカーに戻してサイドテーブルに置いた。ベッドから降りて手錠を手に戻ってくると、おれの体の上に跨って腹の上に座り、腕を引っぱり上げて手錠を装着した。そして再び立ち上がる。脇腹を強く蹴られおれはえづいて声を上げて横臥して蹲った。仰向けに返して手錠の金具と首輪の金具を繋いで手の自由を奪われ、再び脚を開かされる。 「なんだ、やっぱお前気持ちいいだけじゃだめなんじゃないか」 再びローションでひたひたになっているガーゼを拡げ、先端に被せる。拡げたまま左右に引いて往復させる。強い刺激が絶え間なく襲い、繰り返し腰が跳ねる。みっともなく開いた脚を蛙のように曲げて堪えるが、緩急をつけて滑るガーゼの動きに翻弄され、刺激が強まる度ガクガクと震えいうことがきかない。普段はそんなふうにはならないのに、喘ぎ声が抑えきれない。口角から涎を垂らしながら辞めてほしくて懇願するが、言葉にもならない。 「途中でやめてやらないからな、しっかり躾けてやるよ」 自分でもうるさく感じるほど一際大きな声を上げて達し、腹の上に白濁した液体が飛び散った。それでも直人さんは決して手を休めない。ようやく「やめて」と言葉を取り戻して言うと、再び頬を打たれた。その手で口と鼻を手で塞がれたまま言い聞かされる。 「やめないって言っただろ、何回聞いたら覚えるんだ」 再びガーゼをローションに浸してからほんのり赤みを増した先端に載せて、再び左右に引いて苛みはじめる。過敏さを増し、与えられる一層の刺激に体が耐えきれず生理的な涙が溢れ出て、背中にじっとりと脂汗が滲んでくる。なんとか逃れようと身を捩るも、下腹部の花芯は存分すぎるほど充血し更なる刺激を欲しているかのようにビクビクと反応し、意識せずとも本能で腰を振って発情をアピールしている。 「ごめんなさ、おねがい、も、やだ…」 「泣いてもだめだよ玲、おれ好みになるんだろ?ん?」 何度達してもやめず、引ききらぬ余韻から繰り返し引き出される強烈な快感で目の前がちらつき、時にブラックアウトしそうになるが腹に重い衝撃を与えられ強制的に目覚めさせられる。やがて放出できるものが尽きて空打ち状態に近づいたとき、今度は別の排出欲求で体が震えた。 「も、漏れちゃう…」 「ん?ザーメン以外何が漏れるんだ?いいぞ、漏らしちまえ」 意地悪く直人さんが笑って、手の動きを早める。かぶりを振って声を上げる。泣きながら「ごめんなさい、いい子にしますからやめてください」と何度も繰り返し訴えるも全く意に介さず、無慈悲に繰り返される刺激におれは屈した。温かいものが溢れ出て体の上を流れ、防水シーツの上に零れ落ちていく。 「いいなあ、いい画だ。最高に可愛いよ玲」 直人さんは限界に達し弛緩しきったおれの体をうつ伏せに返し、ビーカーに入っていたローションを尻の割れ目に流した。そこに熱帯びて屹立したものを擦り付けローションを馴染ませる。重みのある感触の中に、ボコボコとした異物の感触がある。丁字油の効果で麻痺し、柔らかくなった肉襞を押し拡げ凶暴なそれが押し入ってくる。 「真珠が入ってるやつだ、ご馳走だぞ」 張り詰めた雁首が入口の襞を抜けると、突起物が刺激に興奮して膨らんだ前立腺をゴリゴリと扱き上げ、内部を押し拡げながら奥まで一気に蹂躙してくる。そのまま覆いかぶさり、容赦なく上から腰を落とし、最奥に繰り返し杭打つように責め立てる。恥骨のやや上の裏側、膀胱との間にある子宮の痕跡にあたる器官が突起物に捉えられ餌食になる。オスとして達するときとは違う快感が、内部から込み上げる。 抵抗する体力もなく、身を捩ることさえできず、只々ベッドの上で涙と涎を垂らして、僅かな声を喉から絞り出すように喘ぎ、佳がる。オスとしては味わえなかった強烈な快楽に全身が痙攣し、余韻は全く引く気配がない。心底愛おしそうにおれの頭を撫でながら耳元で直人さんが囁く。達しているのを察しても決してやめず柔い奥の突き当りを執拗に捏ね、雁首が中の襞を擽る。 「今日からおれのメスになるんだから、ちゃんと体で覚えるんだぞ、な」 そう言うと、中で銃砲がどくどくと脈打って、擦れた内部に熱い粘液が繰り返し放出される。 「あ、出てる…」 「まだだ、満足いくまで種付させろ」 放たれた体液でぬめりを増した内部を、味わうようにロングストロークで往復させる。出入りする度に突起物があちこちに引っかかり、抜き差しの度に過敏になっていく内部を転がり、再び快楽を呼び覚ます。自分の内部が悦んでうねり、吸い付いて雄茎の感触を味わっているのがわかる。はしたない自分の体にどうしようもない羞恥を感じるも、それさえ快楽を高める要素になっていく。 「いいぞ、玲、男に屠られる悦びを知ってる体だ」 直人さんはそれを再びおれの深くまで押し込め、全身を震わせながら再び最奥に体液をたっぷりと注入した。暫くつながったまま、おれの上で頭を撫でながら耳元や肩口にキスしていたが。やがて体を起こしてゆっくりとまだ息づいているモノを引き抜いた。こぽ、と音がして空気が入る感触がして、注がれた体液が弛緩した入口から溢れ、防水シーツの上に広がる。 傍らに寝そべって、おれに話しかける。 「風呂沸かしてやるから入るまで少し休んでおけよ、まだこれからだからな。お前には訊いておきたいことが山ほどある」 ニヤリと笑って、ベッドから降りると直人さんはひとりバスルームに向かった。ベッドの残されたおれは「訊いておきたいことってなんだろう?」とぼんやり夢うつつで考えているうちに体力の限界が来て、気を失った。

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