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【2020/05 不時着】⑭ (*)
「やりすぎた、大丈夫?」
夢うつつの状態でぼんやりしているつばさの寝ている奥に手を伸ばして、枕の横の壁沿いに立て掛けてあったティッシュ箱から数枚引き抜き、汚れたつばさのお尻の間に挟み、もう数枚で自分のものを包んだ。
「…大丈夫…時間、大丈夫かな…」
そうだった。慌てて起き上がってテーブルのタイマーを見てみると、まだ30分くらいあった。よかった。安堵して戻って横たわり、狭いベッドでつばさを再び抱き寄せた。
つばさはまだ半勃ちになっているおれのものを両手で包み、覆っているティッシュを取り除いてやさしく擦る。二度も達したあとで過敏になっているそこは触られると擽ったく感じるも、また息づいて脈打ち始める。
「フジカワさんのここ、すごい、おっきいのもそうだけど、色とか形がやらしい…好き…」
首筋やデコルテにキスしながら、つばさは手の動きを止めずに続ける。
「割礼してて、皮取っちゃってるから、そのせいもあるかも」
そう言うと、つばさはおれの顔を見上げて尋ねる。
「目とか髪の色も薄いし、そばかすあるし、もしかして親御さん、外国の方ですか」
「わかる?」
おれの答えに頷いて「やっぱそうだった、あたった」と微笑んだ。
そして、ありったけの好意と切望感を溢れさせた、社交辞令とは思えない切なげな表情でつばさは言った。
「おれ、実は、フジカワさんとこないだホテルでしたときのこと、なんとなく忘れられなくて、また、呼んでもらえて嬉しかったです…しかも、ご自宅なんて」
言ったあと、恥ずかしそうに俯いて、おれの胸に顔を埋めた。
「帰りたくない、フジカワさんにだったら…あんなのはじめてだったけど、また、今日みたいにひどくされてもいいです…」
まさかの、キャストからの告白に心臓が跳ねる。衝動的につばさの頭に手を添えて、上を向かせてキスした。
「もう少し時間あるけど、どうする?延長する?」
「ううん、残りの時間、おれにも楽しませて」
起き上がって膝立ちになり、おれの手を引いて起こしてからつばさは床に降りた。起きて脚を下ろしてベッドに腰掛けていると、つばさはおれに立つように促す。言われるまま立つと、その足元につばさが跪いた。
地味ながら可愛い顔の前で、屹立したおれのものを握って扱く。存分に硬さを取り戻し張りつめたものを目を潤ませて愛おしげに頬ずりして見せ、先端を口に含んだ。
舌で転がし口内で弄び、時折鈴口を舌先で擽りながら折り曲げた指の間に挟んで擦りながら、もう一方の手を後ろに伸ばし、テーブルの上からコンドームの包みを1つ取った。そして口に先端を含んで舐ったまま、手元でコンドームの封を切って中指に嵌めた。
「フジカワさん、ローション、ここに垂らして」
おれは従い、さっき使ったローションのチューブを拾って、中の液体を絞り出す。コンドームを被せた中指とその周りの指も、手首までもとろりとした液体に塗れた。その指を、つばさはおれの脚の間の、会陰のその奥に差し入れて窄まりを探った。
ヒヤリとした感触と、柔らかい細い指が襞をなぞる感触が忘れかけていた快楽を呼び起こす。やさしく襞をほぐすように蠢く指が、少しずつ中に侵入してくる。その受け入れ方を、体は忘れてはいない。
抵抗が和らいだ入口の奥に指が滑り込み、中の膨らみを指の腹でやさしく探る。思わずおれは吐息とともに声を漏らして仰け反った。折り曲げた指で雄茎を扱かれながら、もう片手の中指で中を探られて、膝が笑って言うことを聞かない。前のめりになってつばさの方に手をついた。
「かわいい、もしかして、ウケもいけるんですか?」
口に含んでいたものを出して、微笑んでおれを見上げてつばさが尋ねる。
「昔は、だけど、今は…」
堪えながら答えると、つばさはいたずらっぽく「じゃあ挿れさせてって言わないから、その状態で、自分でおっぱいいじってみて?」と囁いて、再び赤く膨らむ先端を口に含んで苛みはじめた。
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