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親友の弟

誰にでも、捨てられない信念ってあると思う。 愛情とか、友情とか、神様とか? 現象とかもありかな。 俺は…。 「なぁ、聞いてる?」 「は?」 やべ、全然聞いてなかった。 「だーかーら、俺の弟がお前と一緒に遊びたいんだってよ、相手してやってくれよ」 「え!弟って…何歳?」 「えーと、小6。背もちっせぇから可愛いもんだよ。減るもんじゃねぇし、頼むわ」 年聞いたんだけど…まぁ、それ聞いたら分かるからいいけど。 小6か…。 「いいよ、任せろ」 「さんきゅ。あいつも喜ぶわ、最近、お前のことばっか聞いてくんだよ。いつ遊びに来るのー?って」 え…まじか。 俺、いつ、真中の弟と会ったっけ。 話したことも無いのに、なんで? いつ見られてた…? 「そうなんだー…早く会いたいわ」 会ってもいいのか、俺。 「つか、何で弟は俺のことそんなに気にしてんの。俺会った記憶ない」 「え、まじ?あいつ、いっつもお前が遊びに来たら、部屋覗いてんぞ(笑)ストーカーかよって(笑)遊んでほしかったんだって言ってたわ」 「へ、へぇ…可愛いじゃん」 本当、可愛い。なんだ、普通に可愛いじゃん、変に勘ぐっちゃってダメだな、まだ相手は子供だろうが…。 「で、いつ、来るんだよ?」 「んー、お前の予定でいいよ。俺いつでも暇だし」 「あー、なら、土曜日でいいか。弟も学校休みだし」 「いいよ、それで。楽しみになってきた〜弟くん何か好きなもんある?お土産持っていくわ」 「いいのに。なら、プリン買ってこいよ。好きだぞ」 「了解」 会うの楽しみだ、本当に。 少し、緊張もする。 俺に会って話をしても変わらず懐いてくれるといいんだけど。やっぱり、見てた時とイメージ違ったとか辛いし。 切りのいいところで、休み時間の終わりを知らせるチャイムが鳴ったので自分の席に戻った。 授業が始まり、低い声でいてよく通り、耳によく馴染み眠たくなるような声の先生だったにも関わらず珍しく俺はいつもみたいに寝れずに起きていた。 内股を擦り合わせ息を吐く。 やば…いつもの悪い癖が出ちゃってる! 授業中なのに俺、なんで!? 「…しお。志々雄!聞いてんのか。具合悪いなら保健室いけ」 「えっ!あ、はい、すいません、いってきます…」 慌てて立ち上がり教室を出る。 具合悪いわけじゃないけど、授業できる状態じゃないのは確かだ。

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