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早とちり

 圧倒されてしまった。それが三春の本音? 「三春…俺!気になってたことがある!」  ガシッと両肩を手を置いて見つめる。 「うん」 「今日の帰り、女の子と一緒に帰っただろ…」 「ん…?え?」 「俺、それがずっと気になってて…お前、なんか腕とか組んでるし…」 「え、ちょ、ちょっと待って、今日?真琴さん、見てたんから最後まで見てるとか声かけてくれたら良かったのに。僕、女の子と誰とも仲良くないですよ。むしろ、突き放してる方だし…冷たいって言われるくらいですよ」  俺の話を聞いてすぐ慌ててまくし立てる。  じゃ、本当に気にしなくてよかったってこと?  勘違い? 「まじかー!せっかちっていうの?何か…見たくないって思ったら耐えられなくてさ。早とちりしたわ」 「真琴さん…ごめんなさい。貴方に少しでもそう思わせてしまうなんて。僕もまだまだ子供ってことですね。歳だって…」   肩を震わせて今にも泣き出すんじゃないかってくらい。目元が赤く見える。 「三春…もっと俺たち色んなこと知らなきゃいけないな。壁にあたっても、絶対戻ってこような。別れるなんて絶対だめだからな」  情緒不安定になったら別れるのが一番良いなんて考え出しそうだし、先手は打たせてもらう。 「ふっ…真琴さんの方が辛そうだったのに今は僕を慰めてるんですか?…ふふ…もう大丈夫そうですね」 「あぁ…何か悪い…遮っちゃったし、その」 「したいんですか?セックス」  ニヤニヤ顔で言われて顔が熱くなる。 「ばっ、ばか!ただ、悪いと思って!せっかく三春…乗り気だったのに…」 「別にいいですよ?ずっと付き合ってくれるんですから。いつでも出来ますよ。いまは…傍で寄り添わせてくれませんか?」  小6だということを忘れてしまいそうになる。欲しいことを三春はくれる。 「ありがとう…」  泣いてしまいそうだ。傍にいてほしいかったのは俺の方だ。三春には考えてることも伝わってしまうんだろうか。分かってて、ほしいな…俺は言葉にするのも、素直になるのも下手だから。  幸せだな…。このままずっと幸せが続くといい。三春にギュッと抱かれ、胸元に顔を埋める。まだ小さい身体なのに、暖かい。おかしいな…満足してたはずなのに。いまが一番可愛くて好きなはずなのに、成長を楽しみにしてるんだから。 「可愛い三春も好きだけど、かっこいい三春も俺は見たいよ。全部、俺に見せろよ、三春」 「幼女趣味はどうしたんですか?」 「違う!…こともないけど、お前は別!もっと知りたいって思っちゃったんだよ」 「愛のおかげですかね…光栄です。でも、僕を知っても引かないでね」  引くわけないだろ、お前が好きなんだから。

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