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第1話

もう何年も前に交わされた約束。 覚えてる筈ない…なんて思いながらも 僕は目的の場所へ向かう飛行機に乗っていた。 ✱✱✱✱✱ 着いたのは季節を全く無視した常夏の楽園。 透き通る様な青い空に雲一つ浮いてなくて。 降り立った瞬間に着ていたシャツにじんわり汗が滲んだ。 空港に待機してたタクシーに乗り込むと行き先を告げる。 「カンコウデスカ?」 日本語で話し掛けてくる運転手に 「ちょっと野暮用で。」 と英語で返す。 それ以上話す事も無くて僕は窓の外を流れる景色をボーっと眺めてた。 暫く走って目的の場所に着く。 軽く挨拶をしてタクシーを降りると目の前に建つ小さな建物を見上げた。

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