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いち
何も頭に入ってこない数学の授業を受けながら、今日も今日とて担任の頭がどんどん薄くなっているな〜なんてくだらないことを考える。
俺は中田。何の変哲もない男子高校生だ。
スクールカースト、普通。彼女は、いない。つかそもそも男子校なんで望み薄。あとは仲のいい友達の田中がいるくらい。ほんと、どこにでもいるような男子高校生である。
んで、つまり何が言いたいかっていうと、暇だ。限りなく暇。
「って事で田中。何かいい案ある?」
「え…?授業中ずっとそんな事考えてたわけ?アホだな」
気付いたら昼休み。校舎の人気のないスポットで田中と昼食を摂る。田中は焼きそばパンを食べながら真顔でなんか話しだした。
「昨日AV見たんだけど」
「おう、え…唐突だな」
「人って乳首あんじゃん?」
「そりゃな」
「その動画の女優さんな、乳首だけでイッてた」
食事中になんつー話持ってくんだコイツは。ってツッコミたくなったが、俺もその話ちょっと気になるんで言わないでおこ。
「ふーん…そんで?」
「俺疑問なんだよね。乳首でほんとにイけんのかって」
「あー、確かに」
「で、ネットで調べたら男でも弄って感度上げればイけるとか?」
「…マジ?」
「中田って今日乳首用事ある?」
「乳首に用事出来たこと1度もないけど貸さねえからな?」
田中は俺の肩を掴んでニマっと笑った。
「いいじゃん。中田どうせ暇だろ?俺も暇。だからお前の乳首開発させて?」
「やだよ!アホか!」
「ただの検証だって、検証!1週間くらいやってみようぜ?」
「それで俺の乳首がエライ事になったらどうしてくれんだよ!?」
「何?本気で信じてんの?言っとくけど俺のねーちゃん彼氏に乳首弄られまくってもイった事ないって言ってたから大丈夫だよ」
「お前そんな話俺にしたってバレたらねーちゃんにぶっ殺されるぞ?」
「大丈夫。中田口固いしそもそもねーちゃんと会わねーし。…もう俺も暇なんだよ。1週間だけだし、暇つぶしだと思ってお前の乳首開発してみようぜ?」
中田は結構ネチネチしてる部分があって、正直、そういうところ面倒くさい。この話も長くなりそうだし、まあ暇だしまあいっか。
「分かったよ…。俺の乳首開発してもいいよ」
なんか変態かよ、俺。ちょっと恥ずかしいぞ?田中は楽しそうにパァっと笑った。
「さすが中田!じゃあ放課後うち来いよ、早速始めようぜ!」
「はぁ…つか、男の乳首弄るとか気持ち悪くないわけ?」
「やってみなきゃ分かんない」
どうせ1週間も経たずにすぐ飽きるだろ。俺は田中になんか奢って貰う約束を取り付けて教室に戻った。
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