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シュガー&ソルト 1 - ①

『恋は盲目』 ■■■■■■■■■■■■■ 「ぁああ゛しまったーーーっ!」 何で何で何で今日に限って、と 疑問として出てくる事はそればっか 『おーい、今どこだよ?学園祭始まったぞ~ 可愛い子たくさん来てるから、早く来いよ潮見(しおみ)』 ダチの溝屋(みぞや)からの電話で跳ね起きた 携帯のアラームを見れば、見事に止めていて 普段なら、まっ、イイか〜で済ますけど 今日は学園祭と言う一大イベント 俺のクラスは屋台を出店 交代で焼きそばを作るから、きっとそれも迷惑掛けている始末 (俺のバカーーッ) 昨日は楽しみで ワクワクし過ぎて寝れなくて 他校から来た女の子とお知り合いになれたり 良い雰囲気になれて そのままの勢いで学園祭デート これぞ青春、を満喫してやろう な~んて事を思いながら 悶える夜を過ごして… 今、悲しくも最悪な状態からの覚醒 「って、ヤベェッ!」 出遅れたのを取り返す為、急いで制服を着る コンタクトをする時間も惜しく そこにあったメガネを掛けて、とにかく学校へと走った そして息も絶え絶え、やっと辿り着いた俺は 「あだっ!!」 急いでいて横から突然現れた人とぶつかり 見事に廊下ですっ転ぶ 「痛って……え?あれ?メガネッ」 視界がボケていてすぐに気が付いた ぶつかった拍子に吹っ飛んだであろうメガネを探そうとした時、メキャメキャっと粉砕された音と 『うわ、なんか踏んだッ。これメガネじゃん』 そんな声が聞こえ、まさにこれぞお先真っ暗の状態に絶望が襲う 小さい頃から目が悪く、いつもは予備のコンタクトを持ち歩いているのに、今日は寝坊したのもあって、運悪くそれも無い 悲しさに若干泣きそう 涙でさらに視界がボケて (何も見えねぇ…) 溝屋を呼ぶしかねぇと思った時 「大丈夫ですか?」 スッと差し出された手が目の前に現れた

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