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第55話

穂高も拓磨も互いにスタイルも良く、毛色は違えど、いわゆるイケメンだ。 学生時代、穂高は感情を余り表に出さないクールさと人を寄せつけないオーラがあった。 父が医師会の理事やあらゆる学校の責任者ともあり、周りからも注目の的。 粗相がないよう、幼少から父から厳しく言われ育てられた。 母も茶道、生け花、日本舞踊の講師でもあり、マナーやちょっとした立ち振る舞いも厳しく、穂高に指導した。 抗うことなく、穂高は躾のまま育った。 拓磨の母が結月を受け入れたのは、結月が元は‪α‬であり、同じくマナーを受け、しっかり躾られたのだろう、仕草や座り方、立ち振る舞いや言葉遣いなども見抜いたゆえもある。 躾の出来ていないマナーのない相手ならば、母が拒絶し、許さなかっただろう。 拓磨の親の肩書きは、父はアメリカで名門大学の講師、昔は日本で教師をし、母は趣味も兼ね、あらゆる経営を行いながら、ピアノの講師。 拓磨はある程度の躾は受けたが、穂高と違い、伸び伸び育てられた。 話し上手で聞き上手、頭も良くスポーツも万能、しかもイケメンな拓磨には自然と男女問わず、人が集まる。 確かに、史哉は、学生時代、穂高に付き纏い、廊下を歩いていたら、拓磨の周りに人だかりが出来ていたのを記憶している。 中心にいる、拓磨の屈託のない笑顔も。
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