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第77話
とある日。
穂高たちの家でそれぞれ料理を作ってパーティーしようよ、と史哉から穂高ではなく、結月に連絡があった。
当日。
大量の食材の袋を手に穂高、結月宅を訪れたのは、史哉と拓磨だけでなく、美希と美希の彼氏、翔太もいる。
「拓磨の家に住んでからさ、僕もたまに拓磨のお母さんに料理、習ってるんだ」
史哉は持ってきた自らのエプロンを付けながら結月に言う。
「そうなんですね」
「食材、適当に買ってきたから、お互い、思いついたの作ろうよ」
「パーティーって、なんだ?誰か誕生日か?」
「あ、私。史哉さんが提案してくれたの」
美希の笑顔に穂高はなるほど、と頷いた。
「そうか、おめでとう、美希ちゃん。て、もう、19歳になるのか、早いな」
ふと、拓磨を見ると、隣にいる翔太を腕を組み、なにやら質問攻めしていて、翔太はどうやら怯えている。
「美希と知り合ったきっかけは?」
「さ、サークルです」
「サークル?なんのサークルだ?」
「そ、その海外旅行のサークルというか、同好会というか...」
「学科は?美希と同じか?」
「い、いえ、違います、経営学部です」
「だったらなんだ?将来は経営者か?」
美希もお菓子作り、結月や史哉もそれぞれ、キッチンに立ち、翔太に助け舟はない。
「...それくらいにしてやったらどうだ、拓磨」
仕方なく穂高は拓磨をため息混じりに窘めた。
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