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第83話

結月と美希は未成年な為、次第に美希の焼いたアップルパイやシフォンケーキに移り、ティータイムになった。 「お前はあまり飲みすぎるなよ」 大好きな白のスパークリングワインを持参していた史哉は口を尖らせる。 「今日くらい見逃してくれていーじゃん、明日からまた禁酒する」 不意に穂高が顎を抑え、宙を仰ぎ思い出した。 「あー、そういえば。引っ越してきた際に貰った日本酒があったな」 成人軍団は宴会になりつつある。 「冷やと熱燗に致しましょう!私の故郷は実は米どころ、新潟で御座いまして。では、早速、準備して参ります!」 勇み足で有坂はレジャーシートから縁側にひょい、と飛び乗り、部屋に入っていくのを、穂高と拓磨、史哉が見つめる。 「なんだか凄く明るい人だったんだねえ」 史哉がスパークリングワインの入ったカップを片手に丸い目を向けた。 「お待たせしました!どうぞどうぞ!翔太様も!」 秋の昼下がり、穂高、拓磨、翔太は有坂におちょこを手渡された。 「悪いな、有坂」 「僕は?有坂さん」 史哉が思わず声にすると、 「史哉様はご懐妊しておりますから」 「えーっ、少しくらいいいじゃない、仲間外れみたいでなんか嫌だあ」 史哉の嘆きに穂高と拓磨は眉を下げ、 「有坂、今回は史哉にも少し飲ませてくれ」 穂高のフォローに有坂は、 「...左様で御座いますか」 有坂は渋々と肩を落とし、ため息をつきつつも、史哉にもおちょこを手渡し、史哉に笑顔が溢れた。

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