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慕情の行く末 8(※)

だんだんとオラガの息遣いが荒くなり、腰の動きも大きく強くなってきた。ぱん、ぱんっと互いの肌がぶつかる摩擦音も一層激しさを増す。 時折、切なげに呻く彼の喘ぎにイオリの背筋が甘く疼いた。 (ほとばし)る彼の汗が背のあちこちにかかり、火照った身体を束の間冷やしていく。 いよいよホトの最奥を(えぐ)られるように激しく突かれだして、イオリの身体も小刻みに揺すられた。 「ぐ…ッ、う」 「オラガ…出していいよ。僕の中に……ァんっ、ひぁッ…あぁ…っ」 「は…ッ、あ…イオリ。イオリ…愛している…」 「オラ…ガ…。あァっ、そんな奥だめッ……オラ……ッあ、ああ…っ」 「うッ…う…あ」 腟内で一回り大きく膨らんだオラガの魔羅が、勢いよく白濁を吐き出す。びゅくびゅくと獣の精を注がれるホトの最奥がじんわりと熱くなった。 同時に、根元を掴んでいた手を離すとイオリの魔羅からも溢れ出すように白濁が零れた。三度目の吐精とは思えない程の量が出ている。 「っふ…ぅ、あ…オラガの…いっぱい出てる…」 「すまん、犬神(おれ)の吐精は長いんだ…。まだまだ治まらんぞ」 「んんッ」 「俺の全て、お前の腟内(なか)に注ぎ込んでいるんだ…。苦しいか?」 「あ…っ。平気…だよ。オラガ…口吸って」 「んっ…」 「んふッ…あ」 幾度も優しく唇を食まれ、少しずつイオリの気持ちが凪いでいく。精を吐き出し続けるオラガはまだ少し苦悶の表情を浮かべているが、そんな顔すらもイオリには堪らなく愛おしかった。 *** ぐったりとした身体をオラガの大きな腕の中に包まれながら、イオリは心地良い微睡(まどろ)みの中にいた。ようやく落ち着いた呼吸も、全身に広がる甘やかな疲労感も、その全てがイオリの胸中に広がっていた不安感を綺麗に溶かしていく。 「イオリ、平気か?」 「ん…もう少し休みたい。身体がまだ動きそうになくて」 「無理をし過ぎたな、すまない」 「違うの、僕が大好きなオラガにひっついていたいだけ」 「…!そんなに可愛いことを言われると、また抱きたくなるんだが」 「え、さっきあんなに交わったのに…!?」 「駄目か?」 「駄目じゃ…ない、けど」 顔が熱くなって、急激に込み上げる恥ずかしさに堪らず横を向けば、オラガが優しく笑う声がする。想像し得なかった穏やかな時間の流れに、イオリは不意に泣き出しそうになる。 オラガの大きな手で頭をゆっくりと撫でられながら、イオリは静かに瞳を伏せた。 「オラガの手、心地良い…。安心する」 「そうか。それにしても、イオリはまた少し髪が伸びたか」 「そんなに変わってないでしょ?だって少し前にヤトに毛先を切って貰ったばかりだもの」 不器用な自分とは違い、兄弟然として共に育ってきたヤトは手先が随分と器用だった。イオリの髪が伸びると、小石を削って作った自作の小刀で毛先を綺麗に切り揃えてくれる。 「――ヤトは、僕たちの事を受け入れてくれるかな。僕がオラガの(つがい)になったこと」 「分からん。話してみないことには、何とも言えないが」 「もし、受け入れて貰えなくて家族がバラバラになっちゃったら…んっ」 不安げに口にしたイオリの言葉を、オラガが優しい口付けで塞いだ。ちゅ、と唇を食んで重ねると、イオリの身体がぎゅっと強く抱きしめられる。 「お前は何も心配しなくていい。ヤトとはしっかりと話をする。ヤトとイオリと共に暮らしていく穏やかな生活は必ず俺が守る」 「僕も、ちゃんとヤトと話をする。オラガを好きになったのは、僕の意思だから。オラガとヤトの関係を壊すようなことはしたくない。二人は僕をずっと守っていてくれた、大切な存在だから」 瞳の中に強い意志を灯して訴えたイオリが、オラガの大きな身体をぎゅっと抱きしめ返した。

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