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【730days番外編】1019day mom 12/25 Christmas ※R18
まるで神聖な儀式のような気分。深森さんはいいと言ってくれたけど俺の気持ちはまだそこまで追いついてない。昨日までもう触れることすら許されないと思っていたのに……。
何よりも大事だったのに気付かず、大切にしないで無くしてしまった。掴んでも掴んでも手のひらの隙間から砂が溢れ落ちるような……どう足掻いても、もう元には戻らないのだと幾度も思い知らされた絶望感。それが今再び自分の手の中に在る。心臓がバクバクしてどうにかなりそうだ。触れたら消えてしまうんじゃないかと、そっとキスをした。多分震えているのが伝わってしまってる……。
「……ごめんな。あんなにお前を傷つけたのに、結局手放せなかった……」
なのに……この人はこんなにも優しい。こんなに好きなのに、幾度も幾度も好きになる。怖い。幸せなのに、恐怖すら感じる。
「深森さんは何も悪くないです。俺は捨てられて当然の最低な男だった……ずっとあなたを傷つけて思い上がって傲慢で自分の事しか考えてなかった」
今でも、どうしてあなたが俺を許してくれたのかわからない。でも、お願い……もう俺を捨てないで。なんでもする。なんでもするから……。
「悪くないよ……お前は何も悪くない」
深森さんの手が俺の背中に回り強く抱きしめてくれる。
「ずっとお前が欲しかった……」
目眩がするような甘い言葉に落ちるような感覚。強く抱きしめ返してキスを貪る。何よりも欲しくて、でももう取り戻せないと思っていたもの。本当に自分の手の中に戻って来たんだ。
細くて白い肌を強く吸って跡をつける。首元に鎖骨に……どんどん落ちていく……俺の……俺だけのものだ。もう絶対に手放さない……乳首を噛むと白い体が弓なりにのけ反った。気持ち良さそう。もっともっと気持ち良くなって欲しい。執拗に舐めると耐えきれないように俺の髪を掴んだ手が強くなって下も大きくなって体にあたっていた。
「……尚。来てくれ。もう出る……」
なんて素直な反応……潤んだ瞳で自分の名前を呼んで腰を押し付けてくる。
「うん。いいよ。一回出して……」
「……やだ……一緒がいい……」
強く引き寄せられてねだられる……堪らない、俺も今すぐ繋がりたい……でも久しぶりだから急にしたら負担をかけてしまう。
「久しぶりだから……ね……」
「……大丈夫だから……」
ぐっと、ペニスを掴まれてゆっくりと上下に扱かれた。
「……ま、待って深森さん」
そんなことされたら耐えられない……。
「名前で呼べよ……」
「理さん……」
「そう……」
高揚した顔でニヤリと笑う。堪らない。もう……無理。せめて……と気力を振り絞って深森さんの体をひっくり返してローションを大量にかけてゆっくりと体を進める。少しずつ入るたび白い背がピクピクと反応する。かなり辛いはずだ。なるべく痛みを紛らわせるようにローションのついた手を前に回しペニスを扱いた。
「……気持ち……いい……そう、そこ、もっと……」
搾り取られるような感覚……堪らない……言葉で体で俺を欲しがってくれているのを隠さず伝えてくれている。焼き切れるような興奮と幸福感に理性が追いつかない。促されるように前立腺を狙って強く弱く腰を突き上げた。
「ふぁ……あ、ああ、いい!」
気持ちよさそう……俺も堪らなく気持ちいい……求めて求められている。ほんとうに俺のことを愛しているんだと全身で伝えてくれている。突き上げる度に麻薬みたいな甘い声が漏れて頭も体も痺れておかしくなりそう。強く打ち付けて前を握って、乳首を掴み、白い背中に噛みついて、もう何も思いやる余裕もなく深森さんの体を貪った。
「……ずっと……こうされたかった……ずっとお前に……こうやって揺さぶられたかった……」
「……!」
言葉に耐えきれず思いっきり出してしまった……深森さんの体も痙攣して暖かいものが手のひらに出る感触がする。
「……理さん。好き……大好き」
嬉しくて気持ち良くて縋るように背中に抱きついた。
「……また泣いてんのか?」
また涙が出て来て止まらない。幸せすぎると涙ってこんなに出てくるんだな……もういいや。そのまま、ぎゅうぎゅう深森さんの体を抱きしめる。
「好き……」
言いながら、もっと強く抱きしめた。
「好き……好き……」
抱きしめながら馬鹿みたいに繰り返す。深森さんは体を反転させると、笑いながら俺を抱きしめて背中を撫でてくれた。なんて幸せなんだろう……心地いい。このまま溶けちゃいたい。
今までクリスマスなんて何の意味も感じていなかったし神様を信じたことだって一度も無かった。でも本当に神様がいるのならこの人に会わせてくれたことに心から感謝します。そしてどうかこの人を俺から取らないで……。
……そして神様どうか1日でも長く一緒にいさせて欲しい。
fin.
fin.
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