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第107話「意外とイケる」
「イヤになったら言って。吐きそうになっても言って。鷹夜くんがイヤなことしたくないから」
「分かってる、大丈夫」
2人してベッドの上に乗った。
芽依に見下ろされながら、恥ずかしさで鷹夜はタオルケットで顔を隠している。
「、、、」
「っ、!」
ズルルル、とゆっくり、スウェットのズボンが脱がされていく。
全身が心臓になったみたいに、鷹夜の身体は鼓動していてうるさかった。
「、、パンツ可愛い」
「そう言うことを言うなッ!!」
「いてえッ!」
下着とTシャツだけの姿になった鷹夜を見下ろし、芽依は興奮した震える声でそう言った。
ボクサーパンツではなく、今日の鷹夜はチェックのトランクスを履いていて、それが新鮮で芽依は勝手にときめいている。
そして発した一言により、見事に鳩尾を蹴られた。
「ば、バイオレンスダーリン、、」
「まだダーリンじゃない」
「ん〜〜〜!まだって言ってくれるところがイイ〜!鷹夜くーん!」
「うわっ」
勝手にときめき、勝手に盛り上がった芽依は鷹夜のトランクスをスポーン!と勢いよく脱がせてしまった。
急に風通しが良くなった下半身に驚き、鷹夜は隠していた顔からタオルケットをはぎ、バッと自分の脚を見下ろす。
「うわ、わっ、わっ、、!!」
くたっとしなだれたまったく勃っていない鷹夜の性器が、芽依と自分の視線の先にある。
顔が熱い。
変な汗がブワッと溢れ出てきた。
鷹夜は何よりも恥ずかしくて泣きそうになり、素早く枕を掴むとそこを隠そうとした。
「あ、ダメだよ」
「い、無理ッ、無理ッ!!見なくていい、芽依くん無理ッ!!」
(絶対に小さいと思われた、、!!)
AVに出てくる男優達との比べ方もよく分からず、とりあえず検索して調べたときは平均よりは大きかったと思う。
自分のそれを定規で測ったことなどないけれど。
鷹夜としては自分のそこについての知識はそのくらいしかない。
だが、先程擦り付けられた芽依のあれが尋常ではなく大きかったのは分かる。
彼は他人から見たら見窄らしいかもしれない自分の性器を晒すのが急に恥ずかしく、また惨めに感じ初めて慌て出しているのだ。
(比べられたら終わりだ。このまま付き合ったら、ちんこが小さい彼氏って周りに紹介されるかもしれない、、!!)
「お、大きくなるまで待って、、!!」
思わず枕をグッと股間に押し付けた。
「何の話し、、?」
鷹夜が泣きそうになりながら枕で股間を隠すので、芽依は笑って良いのかも分からずとりあえず彼にキスをして誤魔化す。
「何で不機嫌なの?」
「不機嫌なんじゃなくて、、ちんこ、小さいのは分かってるからッ、、成長するまでセックス待って!!」
「鷹夜くん戻ってきて。三十路だよ?もうちんこも背も伸びないよ」
「うッ」
やたらと駄々をこねて枕を股間から離さない鷹夜を見下ろし、角度を変えて何度もキスを送る。
その内、段々と余計な力が抜けて鷹夜もキスを受け入れてくれるようになった。
「ん、、んっ、ん」
「鷹夜くん可愛い。どうしてもちんこ見せてくれないの?」
「んっ、い、イヤだ、小さいから、」
「小さくないと思うし大きさ関係ないよ〜」
鷹夜はもはや笑える程にちんこの大きさに執着していた。
「イヤだ、、ちんこ、いやだ、、」
「何言ってんの〜?鷹夜くんベロ出してよ〜、ちゅーできない〜」
「キスもイヤだ、、んぅっ」
「ちんこ見せて」
「イヤだ」
ちゅっちゅっと下唇を吸われ、甘噛みされてキスを強請られる。
芽依のそんな甘ったるい攻撃に、こう言った事に慣れていない鷹夜はずぶずぶに甘やかされて絆されて、とうとうぺろ、と舌を見せてしまった。
「あーー、本当に可愛い」
「うざぁ」
「ん〜〜」
「ぁむっ、んん」
じゅううっと舌を吸われて味わわれる。
「鷹夜ぁ〜?」
「可愛い声で呼ぶのキモいぃ」
「何でよ〜、好きでしょ俺の声」
「好きじゃないぃ」
本当は好きだし甘ったるい声で呼ばれると腰の奥が疼いて堪らない。
いつもより気分が良いし、キスだって気持ち良くてずっとしていたい。
(あーー、もうダメだ。本当にダメだ)
鷹夜は完全にこの小野田芽依と言う男に絆されている事を自覚して悔いた。
「ちんこ見て何すんの」
「何されたい?あ、うーん、、何ならしていい?」
「、、見るだけ」
「え〜〜〜〜」
またちゅ、ちゅ、と唇を啄むだけのキスが繰り返された。
「う〜〜、芽依ぃ」
「はーいー?」
「ちゃんとキスしてくれぇ」
「んはははっ!ちゃんと〜?鷹夜くんが言うならちゃんとする」
2人を包む甘ったるい雰囲気に芽依は目を細めて鷹夜に唇を落とす。
触れ合って少しちゅ、ちゅ、と音を立ててキスをしてから、ぬる、と舌が口内に入った。
「んっ」
鷹夜が目を瞑ると、舌と舌が絡んでいく。
他人の体温が口の中にあるのは、何とも奇妙で面白い。
「はあっ、あっ、、ん、、んっんっ」
「鷹夜くん、好きだよ」
ぬるぬると舐りあって、たまに音を立てて舌を吸われ、息をさせて貰えない。
苦しくなってきた鷹夜が枕を放して両手で芽依の肩を掴むと、芽依の手が彼の下半身にするりと伸びて指先がそれに触れた。
「アッ、」
急に敏感なところに触れられ、鷹夜は閉じていた目を見開く。
視界にはキスをしている芽依の目を閉じた美しい顔があって、太ももの上の枕がずり落ち、ベッドの下に落ちていった。
「芽依、ンッ」
「触るだけ」
「ッ、ん、ンッ!」
芽依がもに、もに、と片手でそれを優しく揉むと、手の中にある少ししっとりしたものが段々と感触を変えていくのが分かる。
「あ、やだっ、芽依、ンッ、芽依っ」
他人に触られるの自体が久々で、驚く程に芽依の感触や体温がダイレクトにそこに伝わってきて、鷹夜は身体を何度もビクつかせている。
「鷹夜、ね、段々硬くなってきたよ」
「んっ、待って、ぅあっ、先っぽ、すんなっ」
「亀頭がいい?ここ、、これは?」
「んあっ」
まだ膨らみきっていないその先端を親指、人差し指、中指で軽く摘まれ、くっくっと間隔を開けて押されるとビクッと鷹夜の腰が揺れた。
(あ、感じてる。感度良いなあ)
彼の上がっていく息遣いと小さく漏らす声を聞きながら、芽依は口元を緩める。
「芽依、んっ、んふ、んっ」
キスをしながらそれを触られているのがとてつもなく気持ちいい。
現場管理の部署の上司に風俗に連れて行かれたときもこんな事をされたが、鷹夜は疲れていてまったく勃たなかったのだ。
なのに、今は芽依のキスにすら反応していてゆっくりと勃起している。
「い、いやだ、、」
「ん、ん?ごめん、やめる?」
必死に「いや」と言った鷹夜の声で動きを止め、芽依は優しく鷹夜を見下ろす。
「違うぅ、気持ち良くてイヤだあ、、あんなに勃たなかったのに勃ってるしぃ」
「あ、気持ちいいのか、、たまに分かりにくいね、鷹夜」
「ごめんん」
「え、いや、謝んなくていいけど。ふふ、ねえ勃ったよ?俺たち、大丈夫なんじゃない?」
「んっ、うっ、ちんこ、揉むのやめろぉ」
何故か鷹夜が泣き始め、芽依は困ったように笑っている。
股間を触っている右手はそのままで、左手で身体を支えながら、また軽く触れるだけのキスをした。
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