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【付録】〈こことはちがう地上について〉シリーズ主要人物年表

シリーズ5作品(『今夜だけ生きのびたい』『夜中に、川があるところで』『きみがいなくなっても教室はそこにある』『果ての塔から響く歌』『夜の蛍、狼の供物』)の主要キャラクター関連年表です。紙の本の巻末に収録した年表の加筆修正版となります。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 【王国歴元年】 のちの世にレムニスケートと呼ばれる9人の石工と傭兵、盗賊が王家の始祖と出会い、共に国の礎を築く。  *回路魔術創始期* 【1018】 アーベルの曾祖父、ナッシュが30歳のときに回路魔術を発明する。精霊魔術しか存在しなかった中で生まれた新しい方法は最初怪しまれるが、ナッシュは誰にでも回路魔術の方法を教え、新しい魔術は王国を超えて徐々に広まる。 【1038】 ナッシュ50歳。妻の死を契機に10歳の息子ゼルテンと共に大陸へ渡る。大陸でも回路魔術を教えながら放浪する。 【1053】 隣国との戦争がはじまる。25歳のゼルテンは父ナッシュと袂をわかち、ひとりで王国へ戻る。回路魔術師団を編成し、隣国との戦争に対抗。王城を防備する魔術装置の設計をはじめる。ゼルテンが去ったあとのナッシュの消息は不明だが、年老いてなお大陸を放浪し続けたという伝説が残る。 【1063】 ゼルテンは10年がかりで王国を守護する回路魔術を完成させる。同年戦争が終結、王家は隣国と和平を結ぶ。 【1068】 40歳のゼルテンは王宮内部の権力争いに倦み、ふたりの息子を王都に残して王国を出奔する。息子きょうだいのうち、兄(アーベルの伯父)は王都で回路魔術師となり、弟(アーベルの父)は諸国を放浪しながら回路魔術の技術を磨く。  *回路魔術発展期* 【1090】 アーベル生まれる。レムニスケート家の次男クレーレが生まれる。 【1094】 アーベルの母が馬車の事故に巻き込まれて死ぬ。 【1101】 アーベルの父が依頼人のトラブルの巻き添えで死に、アーベルは王都の伯父に引き取られる。 【1108】 アーベル、18歳で大陸へ渡る。エヴァリストと出会う。 【1118】 アーベル28歳のとき、伯父が亡くなる。アーベルはエヴァリストと別れて王都へ戻り、クレーレと出会う。(『今夜だけ生きのびたい』) 第1王子のアルティンが隣国の王女と結婚。アーベルとクレーレは使節として大陸を旅する。(番外編「空にあらわれる傷」) 【1119】 アルティンの第1王女生まれる。 【1121】 エヴァリスト、この頃大陸でジラールと知りあい、行動をともにする。 【1125】 エヴァリストとジラール、大陸の砦でトラブルに巻き込まれる。(『夜中に、川があるところで』) クレーレが騎士団長になり、アーベルの第一著作が刊行される。アルティンが即位して王となる。(番外編「太陽の光のふち」) ナッシュの狂信者によりアーベルの拉致事件発生(番外編「鏡はみな孤独」) 王都にて、違法賭場をめぐる騒動が起きる。(番外編「境界の釣り師」「星のかわりに方位となるもの」) 【1127】 ルカがルベーグに弟子入りする。アーベルはコリンを拾い、弟子にする。(番外編「手品の作法」) 【1128~31】 エヴァリストとジラールは大陸を放浪している。学者のグレイに雇われたのをきっかけに精霊動物狩りの一団とトラブルを起こす。(『夜中に、川があるところで』番外編「決して損なわれることがない」「みえないものが棲むところ」) 【1129】 アルティンの第1王女が10歳となる。(番外編「眼の王国」) 【1130】 エミネイターが42歳で結婚する。(番外編「金の輪、銀の輪、鋼の輪」) 王都にて12年に一度の冬の大祭が行われる。(番外編「大鹿の角」) 師団の塔の徒弟、コリンとルカはともに14歳。アーベルとルベーグに将来を嘱望されている。(番外編「裏と表」) 【1132】 エヴァリストとジラール、年始に学者のグレイと共に王都を訪れる。(番外編「年の始めの訪問者」) 【1134】 クレーレの弟一家にセルダンの父(クレーレの甥)が生まれる。弟一家にはその後も男の子が生まれるほか、養子もとる。 【1137】 アルティンの第1王女、隣国の貴族と18歳で結婚する。息子をふたりもうける。 【1142】 大陸で精霊動物が消えていくという謎の現象が起きる。エヴァリストとジラール、この頃ともに消息不明となる。 【1148】 アルティン王が病気により退位し、第1王女が29歳で女王に即位。第1王子が9歳、第2王子が4歳だった。この年第3王子が生まれる。 【1150】 アルティン逝去。60歳になったクレーレは同時に騎士団を引退する。このころ30代なかばとなったコリンやルカなど、アーベルの弟子筋が回路魔術師団の中心的存在として活躍する。 【1153】 アーベルとクレーレ、王都より去る。 【1158-59】 大陸で「レイデスの叛乱」勃発。五人の精霊魔術師が大陸全体を配下におさめようと画策し、それを恐れた人々が団結した結果、それまで独立小国家や同盟が乱立していた大陸に統一連邦が誕生する。 老齢のアーベルとクレーレはレイデスの叛乱のあいだ統一連邦をめざす人々に協力するが、叛乱の最終期にふたりとも消息を絶つ。 統一連邦ではそれまで野放しだった精霊魔術の使い手を組織する魔術連合が発足する。  *回路魔術成熟期~精霊魔術との協働へ* 【1169】 女王の第1王子は未婚のまま30歳を迎えていたが、女王の突然の退位により即位し王となる。すでに婚姻していた第2王子が25歳で世継ぎとなる。 【1172】 疫病の流行により即位して3年で王が逝去する。第2王子が28歳で即位して新王となるが、彼もまたは疫病で長男を失う。王弟が世継ぎとなるが、彼は子供に恵まれない。 【1176】 このころアーベルの弟子筋により回路魔術の改良がさらに進む。 【1177】 アピアン王子が誕生。妃は出産後まもなく亡くなる。未だ国全体に疫病の記憶が強く残る時期で、世継ぎは王弟アンダースのままとされた。アピアン王子は第2王位継承者となる。 同年、騎士団長の息子としてセルダン・レムニスケートが生まれる。 【1184】 王が後添いを迎える。 ソール・プラテック(のちのソール・カリー)地方の商家に生まれる。 【1185】 王と後添いの妃のあいだにメストリンが誕生。第3王位継承者となる。 【1194】 クルト・ハスケル生まれる。 【1196】 アピアン王子が成人し、使節として隣国へおもむく。セルダン・レムニスケートとの絆を確認する。(『夜の蛍、狼の供物』) 【1198】 放浪生活を送っていたサージュがアルベルトに拾われる。 【1201】 ソールが王立学院に入学する。 【1202】 レムニスケート当主が亡くなり、セルダンの父が当主を継ぐ。 【1204】 アピアン、生涯結婚しないと王へ告げる(『夜の蛍~』パート2「偉大な星たちの絵」) セルダン・レムニスケートがアピアン王子の専属武官となる。 【1205】 王立学院でソールとランダウの事件が発生する。 メストリンが結婚し、まもなく男子が生まれる。 【1206】 世継ぎの王弟アンダースが急逝。アピアン王子が世継ぎとなる。 【1207】 精霊魔術師のヴェイユ、このころ大陸へおもむき、晩年のアーベルとクレーレの足跡に出会う。 ソールはカリーの店を正式に継承し「ソール・カリー」を名乗る。 アピアン王子は王に代わって政務の多くを担うようになり、次期王の立場を固めていく。 【1209】 ヴェイユが王都へ帰還、王立学院の教師となる。アダマール師を通じてアピアン王子と知己になり、王子の〈目〉を引き受ける。 【1211】 クルトが王立学院に入学する。 【1215】 クルトとソールが出会う。(『きみがいなくなっても教室はそこにある』) 【1216】 40歳のセルダン・レムニスケートは騎士団を離れ、レムニスケート当主代理としてアピアンに仕える。 【1219】 ソール・カリーの拉致、ダーラムの反逆など複数の事件が発生。ソール・カリーは過去の事件によって自分の中に取りこまれていた「力の書」を消滅させる。(『果ての塔から響く歌』) 【1222】 老齢に達した王が引退し、アピアンが即位して王となる。

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