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聖なる夜に

クリスマスの夕方、霧島にラインが入った。 ”今日はシガーバーでなくて家に帰って来てください。あの鍵を使って治の部屋で待ってます。大河” 霧島はもう仕事をほったらかしていますぐ帰りたい衝動に駆られる・・・。 だがそういうわけにはいかない。 今日もまだラジオのゲスト出演が残っている。 夜20時からのラジオ番組だ。 メインDJは今をときめく若手声優の吉田シノブだ。 元生徒の番組に穴を開けるわけにはいかない。 「霧島さん、今日はゲストということで、少しクリスマスのお話でも聞かせてくだい」 シノブが尋ねる。 「クリスマスねー、まあ、世の中は愛で満ち溢れていて、幸せな日だよね」 そういうと自然とにんまりしてしまう。 「霧島さんも愛を感じたりしちゃう日ですか?」 シノブは中性的な声の男の子で最近では小悪魔キャラで売っている。 「おおー。シノブくんの小悪魔キャラが出た!  愛を感じちゃう日って!!ははは。 そうだな、俺も愛を感じる日になるよう祈ってます」 少しダンディーな声で霧島がいう。 それに反応してシノブが喜ぶ。 「ではこのクリスマスにぴったりなこの曲をお届けします。GreenEyesの聖なる夜に」 そこまでいうと楽曲が流れ出した。 マイクがオフになっているのを確認してシノブが霧島に聞く。 「先生、なんかいいことありました?なんか今日ニマニマしてますよ」 「え??そう???そんなことないけどなー」 そうトボケながらまだ顔がニマニマする。 「今日後でBitterにレオくんと行こうって言ってるんですが、先生も一緒にどうですか?」 そうシノブに聞かれた。 「いやー。今日は俺まっすぐ帰るわ・・・・。  今日Bitterやってるかな・・・?」 そう答えた。 そこで曲が終わった。 マイクをオンにする。 「今日は霧島虎雄さんをゲストに迎えてお届けしております。続いて恒例のコーナー。イケボで言われたい言葉を言わせちゃおーです」 そうやって生放送が進んでいく。 確か去年のクリスマスも元生徒の番組に出ていたな・・・とか考えながら、時の流れを感慨深く感じるのだった。 放送が無事に終わり、スタッフへの挨拶も適当に21:10分にはスタジオを後にした。 今日はそのまま真っ直ぐ家に帰る。 玄関の鍵を開ける。 鍵を開け切る前に中から鍵が開いた。 そこには星野大河が立っている。 「大河、  クリスマスに一緒に過ごせるってことは・・・」 そこまで治が言う。 「そう、治だけのものになったってことだ。  長く待たせてすまない」 大河が言う。 そのままコートも脱がずに治は大河の唇に吸い付いていた。 大河もそれに応える。 あの舌ピアスが心地よく治の舌を触る。 そのまま二人は寝室へ篭った。 23年分の隙間を埋めるように二人は愛し合った。 それは今までで一番長い長い夜だった。 終わり

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