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(…この匂い、好きだな…)
けど、うっとりしてる暇もなく、一瞬昨日散々弄られたちんちんが布とか色々擦れて全身がびりっとしたせいで変にからだが跳ねた。
「…っ、ふふん。やっぱり目線が高いのは楽しいな」
周りを見渡して、いつもより結構高くなった視点にわくわくする。
「夏空様は特に可愛らしい身形でいらっしゃいますからね」
「…っ、そ、そりゃあさっくんに比べたら、ちっちゃい、けど…なんかいつもいつもそういう言い方されると…むかつ…わぎゃあああ!!」
むぅと唇を尖らせて反撃している間に、予告もなく、ぐるぐるーと回転させられた。
視界が回転し、からだが空気にいっぱいふれて驚く。
「夏空様の御年齢で考えれば、丁度良いくらいだと思いますよ」
「…ほ、ほんと…に…?うそじゃない?」
「はい。今でさえ美少年と呼ばれるほどの端整な顔立ちでいらっしゃるのに、…成長して身長も伸びてしまったらどれほど危険が増えることやら…」
やれやれ、とため息を吐いている。
…このだっこされたままの状態でそんなさっくんを間近に見てて、余計に思う。
「………む、」
小さく唸った。
少し襟足の長い黒髪とか、
綺麗で長いさっくんの睫毛とか、
憂い気に伏せられた瞳とか、
抜けるように白い肌とか、唇とか、
………本当にさっくんは色気があって格好いい。
何度見ても思うのに、本人はあんまり言うと嫌がるから、言えないけど。
(…さっくんに比べたら、オレなんて全然良くない)
「なーなー、さっくん」
「?どうしました?高い高いしてほしいですか?」
「…っ!違う。それは後でいい」
それもしてほしいといえばしてほしいけど。
今は良い。
「そうじゃなくて、かみにんぎょーのお芝居みせて。それで今回のことはぜんぶチャラだ。許してやる」
「……紙人形、ですか」
不意に少しだけ何かを憂慮するように、顔に影を落とすさっくんに、首を傾げる。
「…だめ?」
「…いえ。昔から…その、あまり良い印象を持たれていなかったので、夏空様に気に入って頂けるなんて…本当に俺は幸せ者ですね」
ふ、と何かをはぐらかすように笑み、だっこしたままさっくんがポケットから人型っぽい形の紙を何枚か取り出した。
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