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第70話

「確認したいんだけど」 「なに?」 「体目当てとかじゃねぇよな?」 「はぁ?」 「綾人の心配だよ。親友なんだから、遊ばれてないかって心配するに決まってんじゃん。城崎、モテんだろ。誰でも良くて綾人に手出した訳じゃねぇよな?」 そういうことか。 俺だって思ってた。 何で俺?って。 でも、あいつは言葉で、体で、全部使って俺のこと本気だって伝えてくれたから。 「大丈夫。あいつめちゃくちゃ俺のこと好きだから。」 「ぷっ…あはは!そっか!じゃあいいや!」 涼真は真剣だった顔を緩め、いつもみたいに笑った。 涼真の中で引っかかってたのは、俺が男と付き合っているということじゃなくて、俺が遊ばれてないかどうかの心配。 いい奴すぎんだろ…。 「見ろよ、涼真。千紗と同棲してた時の、全部捨てられた。」 「あははは!だからこんなに物少ねーの?やば(笑)」 「メッセージアプリの友達も200人消された。」 「ぶはっ!独占欲強すぎんだろ、城崎!あははっ!おもしれ〜」 「ちなみにおまえも嫉妬されてたぞ。」 「え、俺?!俺と綾人はどこからどう見ても健全な関係じゃん!」 「俺もそう言ったよ。」 「綾人大好きマンじゃん。」 本当にいつも通りだ。 俺が誰にも言えなかった城崎との出来事。 一番の親友に聞いてもらえて嬉しい。 涼真が親友で、本当に良かった。 涼真は笑いすぎて目尻に溜まった涙を指で拭う。 「あ〜、笑った。これ千紗ちゃんに言ったら絶対ウケる。」 「千紗、なんか言ってた?」 「あー、千紗ちゃんな、………ぷくくっ!」 「え、何?」 「なんかな、『え、ヤバくない?ヤバくない?』って鼻息荒くしてたよ。ありゃあ興奮してたね。絶対引いてる反応じゃねぇもん(笑)」 「え??」 どういうこと? 千紗も俺のこと引いてないのか? 「今電話かけてみろよ。」 「千紗の番号、城崎に消された。」 「ぶはははは!!!もう腹いてぇ……っ」 涼真は腹を抱えて机をバンバン叩きながら笑った。 ヒィヒィ言って涙流しながら笑ってる姿を見てると、こっちまで笑いそうになる。 「俺がかけてやろっか?」 「番号知ってんの?」 「この前交換した!」 涼真は涙を拭いながらスマホで千紗に発信した。

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